大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
15世紀前半、カンピン、ファン・エイクによって確立されたネーデルラントの新しい美術は、その子孫たちの時代に人文主義的まなざしも加わってさらなる展開をみせます。ロヒール・ファン・デル・ウェイデン、ハンス・メムリンクを中心に、この時代のネーデルラント絵画への理解を深めることをめざします。

【講義概要】
夏講座で扱いましたカンピン、ファン・エイクの次の世代の画家たちを取りあげます。15世紀半ばから後半、依然深い宗教感情に支えられながらも人文主義的関心から、彼らの画面にはユーモアや理想化や愛らしさが加わります。一方で自然への深い洞察に基づく細密描写、油彩特有の明るく透明な彩色にも磨きがかかり、その作品は国際的な人気を博します。カンピンの弟子ファン・デル・ウェイデン、メムリンクを軸に、クリストゥス、ファン・デル・フース、バウツら、続くボッス世代への系譜にある魅力的な画家たちををじっくりと考察します。

【各回の講義予定】
第1回 2017/ 1/16(月) 初期ネーデルラント絵画のもうひとりの大成者、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
第2回 2017/ 1/23(月) メムリンク、「偉大なる二流画家」と呼ばれて
第3回 2017/ 1/30(月) 国際的な名声のなかで: ヒエロニムス・ボッスの先輩たち

【ご受講に際して】
◆夏講座「じっくり北方ルネサンス」の続編ですが、どなたでもご受講いただける内容です。

名前	真野 宏子
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学・早稲田大学)。専門分野は、西洋美術史および芸術学。訳書に『エドヴァルト・ムンク』、『トゥールーズ・ロートレック』(PARCO出版)など。