大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・中世ヨーロッパの権力構造の特質を理解する。
・百年戦争がもたらした社会の構造変化を理解する。
・近代国家形成の原点を中世に探る。

【講義概要】
EU問題に見られるように英・仏は“近くて遠い”関係にある。その原点は中世、とりわけ“百年戦争期(1337年-1453年)”にある。この講座ではノルマン王朝の成立(1066年)以降、プランタジネット朝の成立(1154年)を経て16世紀に至る曲折に満ちた英仏関係を、百年戦争期を中心に、フランスの王位継承問題、フランドル支配をめぐる利害関係など政治・経済との関連で多面的に検討する。

【各回の講義予定】
第1回 2018/10/31(水) 西欧中世の権力構造の基本的性格 ― 王権と貴族諸階層の関係(主従関係と血縁・姻縁関係)を中心に据えて中世の権力構造の特質を検討する
第2回 2018/11/ 7(水) 英・仏における王朝交代の経緯 ― 1000年頃～1500年頃の双方における王朝交代の経緯を相互の関係を通して具体的に検討する
第3回 2018/11/14(水) 百年戦争の主要な要因 ― 英王によるフランス王位の継承権要求、有数の毛織物産地であるフランドルの支配をめぐる両王権の抗争に特に焦点を当てる
第4回 2018/11/21(水) 百年戦争前半(1400年頃まで)の展開過程 ― フランス王権側の劣勢の要因を探る
第5回 2018/11/28(水) 百年戦争後半の展開過程?ジャンヌ・ダルクの登場 ― ジャンヌ・ダルクの登場に伴う形勢の大逆転の背景を探る
第6回 2018/12/ 5(水) 中世後期(14・15世紀)における王権の拡大強化 ― 近代国家(nation)形成の原点を中世後期の王権の拡大・強化との関係で検討する

【テキスト・参考図書】
参考図書
『中世英仏関係史』（創元社）（ISBN:978-4422202891）
『百年戦争』（刀水書房）（ISBN:978-4887083790）

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	渡辺 節夫
肩書き	青山学院大学名誉教授
プロフィール	1947年山梨県生まれ。50年にわたり中世の政治・経済・宗教をフランスを中心に総合的に研究。東京大学大学院修士課程(西洋史)修了後、専任教員として諸大学で教養教育と専門教育を担当。3回のフランス長期留学を経てパリ第一大学で博士号取得。主著は『フランス中世政治権力構造の研究』(東京大学出版会)。