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講座詳細情報

申し込み締切日:2018-08-23 / 世界史 / 学内講座コード:220305

「赦し」は暴力の連鎖を断ち切るか チベット難民社会を維持する「非暴力」の力

主催:早稲田大学エクステンションセンター早稲田大学エクステンションセンター 八丁堀校(東京都)]
問合せ先:早稲田大学エクステンションセンター TEL:03-3208-2248
開催日
8月25日(土)~ 8月25日(土)
講座回数
1回
時間
※途中休憩をはさみます。
講座区分
1回もの 
入学金
8,000円
受講料
5,832円
定員
50
その他
ビジター価格 6,706円
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

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講座詳細

【目標】
・講義前半においては、1959年にチベットが中国に併合された経緯、文化大革命によるチベット文化の徹底的な破壊、胡耀邦がチベット支配の誤りを認めた短い雪解け期間を除き、現在にいたるまで続く厳しい管理・監視社会の実態について知る。
・講義後半においては、難民社会に視点を変え、ダライラマ14世を通じてチベットの仏教文化が欧米の科学者や知識人の評価を得たこと、その結果、チベット文化を維持する必要性が広く認識されたことなどを具体的な事例をもとに学んでいく。

【講義概要】
冷戦終結後、米ソの対立によって抑えられていた民族・宗教・地域間の紛争が一気に噴出し、90年代は、ボスニア、南アフリカ、ルワンダ、リベリアは内戦に陥り、多くの共同体が壊れ、難民が生まれた。しかしこれらよりもはるか昔1959年にはじまったチベット難民社会は、現在、各居留地内に主要な僧院を再建し、15才以下の子供がチベット文化と近代教育を無料で学ぶことのできる学校を建設している。その仏教文化は国際社会にも認められ、内地の漢人社会にすら定着しつつあるため、文化の維持という面ではチベット難民社会は成功を収めていると言える。この成功の背景には何があるのか。
ダライラマ14世は「私のことを批判しろと言われて、それを拒んだことによって拷問されたり、投獄されたりして仏教の勉強ができなくなることはよくありません。中国人の言う通りに私の批判をしなさい。その方が私も嬉しいのです」と本土チベット人に対して呼びかける。一方、長年にわたり中国で獄中にあったチベット人僧侶は釈放後、もっとも恐ろしかったことを問われると「中国人に対して慈悲の心を失ってしまうこと」と答えた。このようなチベットの慈悲と赦しの文化は中国のチベット支配を当然のことながら覆すことはできていないものの、国際社会の評価を得て、難民社会に対する支援を呼び込み、結果として文化の維持に成功している。この一見無力に見えつつも、中長期的な視点でみると必ずしも無力ではない非暴力と赦しの文化をその国際社会での評価とともに学ぶ。

備考

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

講師陣

名前 石濱 裕美子
肩書き 早稲田大学教授
プロフィール 出身地:東京都。研究分野:チベット・モンゴル・満洲の歴史と文化。主な著訳書等:『ダライ・ラマと転生』(扶桑社)、『チベットを知るための50章』(明石書店)、『世界を魅了するチベット』(明石書店)、『ダライ・ラマの仏教入門』(光文社)、『チベット仏教世界の歴史的研究』 (東方書店)など。
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