大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
古文書を初めて学ぶ方を対象とし、近世文書のくずし字や独特の言い回しの読み方、解釈の方法を学びます。その上で江戸時代初期の歴史への理解を深めます。古文書に親しみを感じられるようになることが、まずは目標です。

【講義概要】
本講義は、幕府や大名家文書のうち、比較的、読解しやすいものをテキストに、それを解読しながら、近世初期の歴史を学ぶものです。近世の初期は決して安定した時代ではなく、非常に混沌としていました。そんな時代に生きた将軍や大名・そして旗本は、どのようにして安定した時代を築いていったのか。古文書を丁寧に解読しながら、その一端を探っていきましょう。また、講義では、時間の許す限り、武家文書の伝来経緯や書札礼なども紹介したく思っています。まずは、くずし字に慣れること。これが最優先です。

【主な講義内容】
江戸幕府の成立 / 徳川家康と豊臣秀頼の二条城会見 / 大坂の陣はなぜおこったか ― 家康の最期の言葉にみる
福島正則の改易にみる徳川秀忠の政治課題 / 領知朱印改にみる将軍と大名 / 徳川家光の武家諸法度
諸士法度にみる旗本たちの実像 / 江戸幕府職制の形成 / 島原の乱を見直す / 将軍への献上儀礼

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/11(月) 江戸幕府の成立
第2回 2016/ 4/18(月) 徳川家康と豊臣秀頼の二条城会見
第3回 2016/ 4/25(月) 大坂の陣はなぜおこったか ― 家康の最期の言葉にみる ―
第4回 2016/ 5/ 9(月) 福島正則の改易にみる徳川秀忠の政治課題
第5回 2016/ 5/16(月) 領知朱印改にみる将軍と大名
第6回 2016/ 5/23(月) 徳川家光の武家諸法度
第7回 2016/ 5/30(月) 諸士法度にみる旗本たちの実像
第8回 2016/ 6/ 6(月) 江戸幕府職制の形成
第9回 2016/ 6/13(月) 島原の乱を見直す
第10回 2016/ 6/20(月) 将軍への献上儀礼

【ご受講に際して】
◆林英夫監修『新編 古文書解読字典』(柏書房)、児玉幸多編『くずし字用例辞典』(東京堂出版)などの、くずし字事典を1冊、手許に用意することをお勧めいたします。

名前	種村 威史
肩書き	國學院大學兼任講師
プロフィール	青森県生まれ。博士(歴史学、國學院大學)。専門分野は、日本近世前期政治史、近世史料学、歴史アーカイブズ。最近の論文には「松代藩代官の職制と文書行政」(福澤徹三・渡辺尚志編『藩地域の農政と学問・金融 ― 信濃国松代藩地域の研究IV』、岩田書院、2014年)がある。