大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
これまでに習得してきた古代メソポタミア社会経済史の知識を応用しながら、本年度は近年公刊された、古アッシリア時代に国際交易の舞台で活躍した商人たちの文書群（アーカイブ）の体系的な講読を通じて、彼らの活動や人間関係の実態を受講生の方とともに考察します。

【講義概要】
古代メソポタミア世界から出土する楔形文字資料のうち、難解な「キュルテペ文書」-古アッシリア語のビジネスレターや家族間の書簡や業務記録、裁判記録類-（邦訳はプリントして毎回配布予定）を受講者とともに講読し、その分析を体系的に行なっていきます。前2千年初頭に始まるアッシリア交易商人たちの商会組織や業務内容の検証に加え、彼らの家族関係やヒッタイト成立以前のアナトリア政治史など、当時の資料が語る様々な「史実」を検証していきます。最初に昨年度までの講義の概要を復習しますので、新たに受講される方も歓迎します。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/12(火) 古代メソポタミア文明史概観と編年法
第2回 2016/ 4/19(火) 古代メソポタミア社会の特徴と社会経済史の流れ
第3回 2016/ 4/26(火) 古アッシリア時代のアッシリア人社会
第4回 2016/ 5/10(火) キュルテペ遺跡発掘と「キュルテペ文書」の研究史
第5回 2016/ 5/17(火) 古アッシリア交易の概要
第6回 2016/ 5/24(火) 「キュルテペ文書」を読む(1)
第7回 2016/ 5/31(火) 「キュルテペ文書」を読む(2)
第8回 2016/ 6/ 7(火) 「キュルテペ文書」を読む(3)
第9回 2016/ 6/14(火) 「キュルテペ文書」を読む(4)
第10回 2016/ 6/21(火) 「キュルテペ文書」を読む(5)
第11回 2016/10/ 4(火) 「キュルテペ文書」を読む(6)
第12回 2016/10/11(火) 「キュルテペ文書」を読む(7)
第13回 2016/10/18(火) 「キュルテペ文書」を読む(8)
第14回 2016/10/25(火) 「キュルテペ文書」を読む(9)
第15回 2016/11/ 1(火) 「キュルテペ文書」を読む(10)
第16回 2016/11/ 8(火) 「キュルテペ文書」を読む(11)
第17回 2016/11/15(火) 「キュルテペ文書」を読む(12)
第18回 2016/11/22(火) 「キュルテペ文書」を読む(13)
第19回 2016/11/29(火) 「キュルテペ文書」を読む(14)
第20回 2016/12/ 6(火) 「キュルテペ文書」を読む(15)

名前	川崎 康司
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	出身:東京都。出身校:早稲田大学大学院。専攻分野:古代メソポタミア史。主な著訳書等:『歴史学の現在-古代オリエント』(共訳 山川出版社)、『世界古代文明誌』(共著 原書房)、『古代オリエント事典』(共著 岩波書店)、『ヨーロッパの分化と統合』(共著 太陽出版)