大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
大正時代を代表する小説家、芥川龍之介の短篇小説の代表作の幾つかを読み、また彼が文壇に登場するにあたり意識していた幾人かの作品を取り上げ、それらとの比較を通して芥川文学の本質、魅力を考えていきたく思います。

【講義概要】
明治末には自然主義文学の傾向を打ち破ろうとする武者小路実篤、志賀直哉らの〈白樺派〉、谷崎潤一郎らの〈耽美派〉などの、若い青年たちによる文学が花開きます。芥川龍之介は、そのような時代の雰囲気の影響を受け、大正期の文壇に颯爽と登場しました。この時間では、芥川を生んだ時代傾向を検討しながら、大正時代を代表する芥川文学、芥川に代表される大正文学の傾向を考えてみたく思います。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 7/ 8(水) 武者小路実篤「お目出たき人」
第2回 2015/ 7/15(水) 志賀直哉「大津順吉」、「和解」
第3回 2015/ 7/22(水) 志賀直哉「范の犯罪」、「濁った頭」、「剃刀」、「小僧の神様」「城崎にて」などの短篇小説
第4回 2015/ 7/29(水) 永井荷風「すみだ川」小山内薫「大川端」久保田万太郎「浅草」、芥川「大川の水」など
第5回 2015/ 8/ 5(水) 芥川龍之介「鼻」
第6回 2015/ 8/19(水) 芥川龍之介「地獄変」
第7回 2015/ 8/26(水) 芥川龍之介「神神の微笑」「おぎん」「おしの」
第8回 2015/ 9/ 2(水) 芥川龍之介「藪の中」

名前	石割 透
肩書き	駒澤大学名誉教授
プロフィール	1945年京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得修了。専門分野は日本近代文学。「芥川龍之介全集」、「芥川龍之介資料集」共同編集の他、著書「芥川龍之介初期作品の展開」(有精堂出版)、編著書「芥川龍之介書簡集」「芥川龍之介随筆集」(岩波文庫)「ジャズ」(ゆまに書房)などがある。