大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
奈良の西の京には有名な天平の古寺、薬師寺と唐招提寺が並び建ちます。その薬師寺には天平時代の幕開けともいうべき仏像が伝わり、唐招提寺にはその後半期を飾った仏像群が存在します。これらの仏像についての知見を深めることを目的とします。

【講義概要】
薬師寺では、わが国仏像の最高傑作と称される薬師三尊像を始めとして、天平期の優れた仏像を拝観することができます。また唐招提寺は、わが国に戒律を定着させるべく来日した鑑真和上が創建した寺院であり、天平の後半期を代表する仏像が多く存在します。ところがこの両寺院の諸像は、仏教美術史の視点からは多くの問題を抱えていることもまた事実です。それらの問題点を取りあげつつ、検討を進めることとします。春季には薬師寺、秋季には唐招提寺を取りあげます。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/ 8(水) 薬師寺の現状と歴史
第2回 2015/ 4/15(水) 東塔とその水煙
第3回 2015/ 4/22(水) 金堂・薬師三尊像（そのI）
第4回 2015/ 4/29(水) 金堂・薬師三尊像（そのII）
第5回 2015/ 5/13(水) 東院堂・聖観音像（そのI）
第6回 2015/ 5/20(水) 東院堂・聖観音像（そのII）
第7回 2015/ 5/27(水) 講堂・薬師三尊像
第8回 2015/ 6/ 3(水) 八幡三神像（そのI）
第9回 2015/ 6/10(水) 八幡三神像（そのII）
第10回 2015/ 6/17(水) 薬師寺のまとめ
第11回 2015/ 9/30(水) 鑑真和上の渡来
第12回 2015/10/ 7(水) 唐招提寺の現状と歴史
第13回 2015/10/14(水) 金堂の諸像（そのI）
第14回 2015/10/21(水) 金堂の諸像（そのII）
第15回 2015/10/28(水) 金堂の諸像（そのIII）
第16回 2015/11/ 4(水) 講堂の二天像
第17回 2015/11/11(水) 新宝蔵の諸像（そのI）
第18回 2015/11/18(水) 新宝蔵の諸像（そのII）
第19回 2015/11/25(水) 鑑真和上像
第20回 2015/12/ 2(水) 唐招提寺のまとめ

名前	近藤 有宜
肩書き	仏教美術史家
プロフィール	1931年生。1996年早稲田大学大学院文学研究科(美術史専攻)入学。2007年同博士課程修了。博士(文学・早稲田大学)。専門分野は日本仏教美術史。著書『西大寺の創建と称徳天皇』。他に論文が「法隆学問寺という呼称について」、「法隆寺東院の救世観音像安置について」、「天寿国繍帳の政策時期について」などがあり。