大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・あらゆる「もの」の実在性を否定するナーガールジュナ（龍樹）の思想の目的の解明
・「輪廻即涅槃」の意味の理解

【講義概要】
　「行為も行為者も実在しない」というナーガールジュナの否定の論拠は、二項関係にある両項をたがいに独立した実在物として措定しようとする「分別」に対する批判のうちに見いだされます。世界を実体-属性関係に代表されるような二項関係をなす「もの」の集合としてではなく、縁起の形式もしくは変化そのもの、すなわち「空性」として標示しようとするその独特の思想を、『中論』などの典籍に即して解説します。

【各回の講義予定】
第1回 2017/ 8/23(水) 運動について
第2回 2017/ 8/30(水) 作用について
第3回 2017/ 9/ 6(水) 性質について
第4回 2017/ 9/13(水) 因果あるいは縁起について

【ご受講に際して】
◆基本的な術語の意味をサンスクリットの単語にさかのぼって説明します。ただしサンスクリットの語学的な知識は不要です。


※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
　お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	齋藤 直樹
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	1962年東京都出身。早稲田大学大学院東洋哲学専攻博士課程満期退学。マールブルク大学外国語文献学領域にてPh.D.取得。著書『Das Kompendium der moralischen Vollkommenheiten』 、論文「ダルマの自性」「転変としての世界」「ナーガールジュナの馬」等がある。