大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・現代において特に顕著な心の問題があることを理解する
・その心の問題に対処する方策を探る
・心が存在するとは本当のところどういうことかを理解する

【講義概要】
現代の心の問題を扱う。現代は多様な情報に晒されているため、自己欺瞞を起こし、他人への信頼を失いやすい。自己欺瞞がいかに生じるか、信頼とは何かの理解を深め、問題への対処法を探る。また、現代はネットに影響されて、恐ろしい集団心理や心の洗脳・操作が生じやすい。集団は本当に心をもつか、心はいかに操作されるかを理解し、対処法を考える。さらに現代は過去の記録や写真・映像が豊富なため、偽記憶の間違いが発覚しやすい。この偽記憶の修正がアイデンティティの危機を招くことを理解し、対処法を考える。最後に、脳科学の発達が心の存在を脅かす恐れがある。心がどんな意味で存在するかを明らかにし、心が「消去」される恐れへの対処を考える。

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 1/25(水) なぜ自分を欺くのか
第2回 2023/ 2/ 1(水) 信頼が社会をつくる
第3回 2023/ 2/ 8(水) 集団は心をもつか
第4回 2023/ 2/15(水) 操られる心
第5回 2023/ 2/22(水) 記憶はなぜ誤るか
第6回 2023/ 3/ 1(水) 心は本当に存在するのか

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	信原 幸弘
肩書き	東京大学名誉教授
プロフィール	元東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は心の哲学。著書は、『意識の哲学』(岩波書店、2002年)、『シリーズ新・心の哲学』全3巻(共編著、勁草書房、2014年)、『情動の哲学入門』(勁草書房、2017年)、訳書は、P・チャーチランド『物質と意識(原書第3版) 』(共訳、森北出版、2016年)など。