大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
近代ヨーロッパは、自由や平等の理念のもとに旧来の身分制社会を解体し、新たな大衆社会を築きあげた一方で、地球の至るところに植民地支配を拡大し、日本を含めた世界各地に巨大な影響を及ぼした。そして、この時代に確立された国際秩序や経済体制、また民主主義、社会主義、民族主義、人種主義などの思想と運動、さらには多様な文化表現や感性、意識は、20世紀以降の現代社会のありかたを決定づけた。
本講義の目標は、10 回の講義をつうじて近代ヨーロッパに関する理解を深めることにある。また同時に、その多面的な魅力を受講者に感じていただければと思う。

【講義概要】
秋学期では、1870年から第一次世界大戦までを中心とする(春学期は、とくに18世紀末から1870年ごろまでを扱った)。初回の授業で19世紀前半のヨーロッパの全般的状況を確認した後、第2～6回は1870年代から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ各国の政治と社会について論じ、第8回で当時のヨーロッパの国際情勢を、第9回で第一次世界大戦とロシア革命を扱う。また第7回では、ユダヤ人問題を考える。最後に第10回で、二つの世界大戦と社会主義革命によって、20世紀のヨーロッパがどのような変貌を遂げたのかを振り返る。

【各回の講義予定】
第1回 2022/10/ 3(月) 19世紀前半のヨーロッパ
第2回 2022/10/17(月) 19世紀後半のイギリス
第3回 2022/10/24(月) 19世紀後半のフランス
第4回 2022/10/31(月) 19世紀後半のドイツ
第5回 2022/11/ 7(月) 19世紀後半のハプスブルク帝国
第6回 2022/11/14(月) 19世紀後半のロシア
第7回 2022/11/21(月) 近代ヨーロッパとユダヤ人
第8回 2022/11/28(月) 19世紀のヨーロッパ国際関係
第9回 2022/12/ 5(月) 第一次世界大戦とロシア革命
第10回 2022/12/12(月) 20世紀への展望

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	小原 淳
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1975年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院修了。博士(文学)。専門はドイツ近現代史。著書に『フォルクと帝国創設』(彩流社)、訳書に『ビスマルク』(白水社)、『マルクス』(白水社)、『夢遊病者たち』(みすず書房)、『力の追求』(白水社)、『敗北者たち』(みすず書房)、『史上最大の革命』(みすず書房)、『時間と権力』(みすず書房)等。