大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・古代メソポタミア世界で展開された社会経済史の変遷とその歴史的影響を知る。
・古代メソポタミア世界から出土した様々な資料を読解しその意味を理解する。
・現代の日本社会と古バビロニア時代の人々の日常生活と信仰のあり方の特徴に関して共通点・相違点を考える。
・古代メソポタミア文明時代の歴史資料としての各種楔形文字資料(邦訳)の読解と分析力を身に着ける。

【講義概要】
古代メソポタミア世界から出土する様々な楔形文字資料(邦訳はプリントして毎回配付予定)の講読を核にすえて、それら具体的資料の分析や資料が語る文化・宗教・歴史・社会・経済の様相の解説を専門的・体系的に行なっていきます。昨年度に引き続いて、前2千年紀初頭の都市社会に生きた民間レベルの人々の日常生活(生涯)や民間信仰のあり方の実態解明をメインテーマとして、なるべく多くの一次資料を読み進め、当時の人々の生活に関する理解を深めていきたいと考えます。
テキストはありません。参考図書も特に指定しません。推薦図書をご希望の方があれば、講座内でお答えします。

【各回の講義予定】
第1回 2022/ 4/ 5(火) 古バビロニア時代・古アッシリア時代の歴史展開と社会様相の変化の概要
第2回 2022/ 4/12(火) 市民社会における民間経済の隆盛と経済格差の拡大・大家族制度の崩壊
第3回 2022/ 4/19(火) 「起業家（タムカールム）」の登場・有産市民層の経済活動とその生活
第4回 2022/ 4/26(火) 「家制度」の開始と家族関係の変化・民間信仰・「女神官制度」の起源
第5回 2022/ 5/10(火) 市民の日常生活（1）－成人と職業選択・所得と資産形成
第6回 2022/ 5/17(火) 市民の日常生活（2）－結婚と出産・離婚とシングルマザー
第7回 2022/ 5/24(火) 市民の日常生活（3）－家族と家産経営・女性の役割
第8回 2022/ 5/31(火) 市民の日常生活（4）－病いと疫病・民間医師・呪術師・占星術師
第9回 2022/ 6/ 7(火) 市民の日常生活（5）－老齢化と介護の問題・家内奴隷と養子縁組制度
第10回 2022/ 6/14(火) 市民の日常生活（6）－人生の終焉・葬儀と遺産相続

【ご受講に際して】
◆初めて受講される方も歓迎いたしますが、あらかじめ古代メソポタミア史に関する一般的な通史を読んでおくことをお勧めします。
◆講義予定は講義の進行や受講生の理解度などの状況によって予告なく変更する場合があることをご了承ください。
◆実際には1年を通じて1つのテーマを追う講座として年間計画を立てております。

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	川崎 康司
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	東京都出身、早稲田大学大学院修了。専攻分野は古代メソポタミア史。主な著訳書に『歴史学の現在―古代オリエント』(共訳、山川出版社)、『世界古代文明誌』(共著、原書房)、『古代オリエント事典』(共著、岩波書店)、『ヨーロッパの分化と統合』(共著、太陽出版)、『朝倉世界地理講座6　西アジア』など。