大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・現代のヨーロッパにおいても大きな問題となっている反ユダヤ主義の歴史を、フランスとドイツという二つの国の対比から複合的に理解する。
・今学期は、近代反ユダヤ主義の基本的な形が成立した第一次世界大戦までを扱い、その本質を明らかにする。

【講義概要】
ヨーロッパの反ユダヤ主義というと、何よりもナチス・ドイツによるホロコーストが想起されるだろうが、反ユダヤ主義はけっしてドイツだけに限られたものではなく、第一次世界大戦以前においてはむしろドレフュス事件に代表されるようにドイツよりもフランスにおいて顕著な問題となっていた。フランスとドイツ、それぞれの国における(1)ユダヤ人の大まかな歴史、(2)ユダヤ人解放、そして(3)近代的反ユダヤ主義の成立を並行的に検討していく。今学期は、近代ヨーロッパにおいて、第一次世界大戦までにいかにして反ユダヤ主義の基本的な形が成立したかに焦点をあてて講義する。

【各回の講義予定】
第1回 2016/10/ 1(土) 啓蒙主義期以前のフランスのユダヤ人（南）
第2回 2016/10/ 8(土) 啓蒙主義期におけるフランスのユダヤ人―近代的ユダヤ人の登場（南）
第3回 2016/10/15(土) 啓蒙主義期以前のドイツのユダヤ人（大内）
第4回 2016/10/22(土) 啓蒙主義期におけるドイツのユダヤ人-近代的ユダヤ人の登場（大内）
第5回 2016/11/12(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのフランスの反ユダヤ主義（1） （南）
第6回 2016/11/19(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのフランスの反ユダヤ主義（2） （南）
第7回 2016/11/26(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのフランスの反ユダヤ主義（3） （南）
第8回 2016/12/ 3(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのドイツの反ユダヤ主義（1） （大内）
第9回 2016/12/10(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのドイツの反ユダヤ主義（2） （大内）
第10回 2016/12/17(土) ユダヤ人解放から第一次世界大戦までのドイツの反ユダヤ主義（3） （大内）

名前	大内 宏一
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	1946年山形生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専門分野はドイツ近現代史。著書に、『ビスマルク――ドイツ帝国の建国者』(山川出版社)、『ビスマルク時代のドイツ自由主義』(彩流社)などがある。

名前	南 祐三
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	1979年大阪生まれ。2012年～2014年度、早稲田大学文学学術院助手(西洋史)を務めたのち、現在は早稲田大学のほか、東京学芸大学や聖学院大学でも講師を務める。2015年2月には、早稲田大学にて歴史学の博士号を取得。主著に『ナチス・ドイツとフランス右翼』(彩流社、2015年)がある。