大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
常識批判とは、二つの眼で現実を見るということを意味します。つまり圧倒的な力をもつ現実に対して否定的な眼をもって相対するということです。そのとき現実は新たな深い姿を見せます。それはまたわれわれの視野の拡大でもあります。私と一緒に哲学をもって新しい世界を楽しみましょう。

【講義概要】
哲学と聞くとそれだけで顔をしかめる人がいるでしょう。この講義は堅苦しいものではありません。まず私の哲学観を述べます。それからはいろいろな事柄(聖書、科学論、生物学、心理学等)を取り上げて、それを哲学的に考えてみようと思っています。哲学のテキストを使うことはありません。むしろ皆さんが知っている事柄を哲学的に考えてみようと思います。この講義の終了時には、みなさんは必ず、哲学の世界を楽しく散策できるようになることでしょう。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/12(火) 哲学の難解さ 哲学の特異性 ― 哲学と他の諸学問とはどこが異なるのか。
第2回 2016/ 4/19(火) 哲学と自然科学 ― なぜ自然科学はわれわれの「真理」となったのか。
第3回 2016/ 4/26(火) 旧約聖書「創世記」を考える ― 原罪を考えることは哲学の基本。
第4回 2016/ 5/10(火) 人間にとって理性は必要か ― 理性は本当に人間を幸せにするのか。
第5回 2016/ 5/17(火) 人間と動物 ― 動物は人間よりも劣っているのか。
第6回 2016/ 5/24(火) 精神障害を考える ― 正常とはどういうことか。
第7回 2016/ 5/31(火) 東洋思想を考える ― 東洋思想における人間の位置。

【ご受講に際して】
◆講義の途中でも、疑問がわいたら、遠慮せず質問してください。その質問はきっとほかの受講生も思っていることです。
◆読んでもらいたい図書等は、講義の中で紹介します。

名前	那須 政玄
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得満期退学。専門分野はドイツ観念論、20世紀ドイツ哲学。著書に『結界と虚界』(行人社)、『闇への論理』(行人社)、『カント読本』(法政大学出版局、共同執筆)など。