大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
日系アメリカ人の歴史をたどりながら、彼らが日本から持ち込んだ文化とアメリカで出合った文化との関わりの中で、どのような音楽活動を展開してきたのかを概観し、移民の文化とアイデンティティに対する理解を深めます。

【講義概要】
日本人の組織的な移住が始まった19世紀末から一世紀余りを経た今日、日系アメリカ人は六世代目にまで至り、混血化も進んでいます。中でも日系人口が集中しているカリフォルニアとハワイに焦点をあててみると、その歩みと現在の姿には大きな違いがあります。
カリフォルニアでは日系人口が全体の1パーセントにも満たないマイノリティであるのに対し、ハワイは白人よりもアジア系が多く、また過半数を占める単一民族がいない多様な民族社会です。
戦争や地理的要素を背景に、それぞれの土地で育まれた音楽・芸能の変遷を比較によって明らかにし、多くの視聴覚資料を用いながら解説します。ボン・ダンス(盆踊り)やハワイ民謡「ホレホレ節」にこめられた日本への愛着と誇り、あるいは和太鼓やジャズに表現される日系アイデンティティを通して、新しい視点から見えてくる日本観についても考察してみましょう。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 7/24(金) ハワイ日系移民の民謡:ホレホレ節
第2回 2015/ 7/31(金) カリフォルニアのボン・ダンス(盆踊り)
第3回 2015/ 8/ 7(金) ハワイのボン・ダンス
第4回 2015/ 8/21(金) カリフォルニアの二世楽団、二世歌手たち
第5回 2015/ 8/28(金) ハワイの二世楽団、二世歌手たち
第6回 2015/ 9/ 4(金) 新世代の音楽の展開

名前	早稲田 みな子
肩書き	早稲田大学講師、東京藝術大学講師
プロフィール	東京藝術大学音楽学部楽理科卒業後、インディアナ大学で音楽学修士号、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で音楽学博士号取得。専門分野は日系アメリカ人の音楽と歴史。主な著作に “Music in Camp (日系人強制収容所における音楽)”(オンライン事典Densho Encyclopedia掲載)がある。