大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
漱石も脱帽したほどの文章で「小説の神様」として君臨した直哉。破産を覚悟して「苛烈味の文字」を志した葛西。「生れて、すみません」ほかのエピグラムに鬼才をうたわれた太宰。三個性から、日本の近代を考えたい。

【講義概要】
自然主義の暗さに抗して「天窓を開けよ」と「白樺」を創刊し、「或る朝」「好人物の夫婦」「和解」と続く志賀文学を「暗夜行路」「灰色の月」へと辿り、「雪をんな」をとらえ、「子をつれて」「遁走」を重ねる「哀しき父」葛西の宿命と詩情を追う。豪家に生い立ちながら、「道化の華」「虚構の春」「晩年」と生の哀しみを描き続け、「斜陽」「人間失格」と滅びの美学に殉じて行った太宰と合わせて、大正・昭和の表象として位置づけられる作品世界を読み深めていく。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/ 6(月) 総序
第2回 2015/ 4/13(月) 志賀直哉
第3回 2015/ 4/20(月) 志賀直哉
第4回 2015/ 4/27(月) 葛西善蔵
第5回 2015/ 5/11(月) 葛西善蔵
第6回 2015/ 5/18(月) 葛西善蔵
第7回 2015/ 5/25(月) 志賀直哉
第8回 2015/ 6/ 1(月) 志賀直哉
第9回 2015/ 6/ 8(月) 葛西善蔵
第10回 2015/ 6/15(月) 葛西善蔵
第11回 2015/ 9/28(月) 葛西善蔵
第12回 2015/10/ 5(月) 太宰治
第13回 2015/10/12(月) 太宰治
第14回 2015/10/19(月) 志賀直哉
第15回 2015/10/26(月) 太宰治
第16回 2015/11/ 2(月) 太宰治
第17回 2015/11/ 9(月) 太宰治
第18回 2015/11/16(月) 太宰治
第19回 2015/11/30(月) 太宰治
第20回 2015/12/ 7(月) 志賀直哉

名前	榎本 隆司
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	神奈川県出身。早稲田大学名誉教授。専門分野は日本近代文学、国語教育。主な著書に『徳田秋聲集』(角川書店)、『作文教室』(新塔社)、『はじめて学ぶ日本文学史』(編著、ミネルヴァ書房)などがある。