大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
戦国時代は、日本列島の各地に領域権力を形成させ、17世紀初頭までに領域権力を統合した政治秩序(幕藩体制)が創出されます。しかし、戦乱という状況は数多の敗者を生み出しました。その評価のあり方も、悲劇の英雄や旧時代の象徴など、多様な類型があります。本講座では、敗者たちが敗れた意味をそれぞれ確認していき、戦国時代に関する理解を深めることを目標とします。

【講義概要】
戦国時代の起因は、足利将軍家を中心とする政治秩序の動揺・分裂にあり、戦国大名の興亡や織田・豊臣両権力の挫折を経て、やがて徳川将軍家による新秩序が成立します。また東ユーラシアの国際環境も転換を遂げ、日本国内の諸相に大小の影響を及ぼしました。本講座では、各回ごとに敗者を個別に取り上げ、その敗北の歴史的な位置付けに迫ります。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 1/ 8(木) 足利将軍家の戦国時代～義輝と義昭～
第2回 2015/ 1/15(木) 戦国大名今川氏の没落
第3回 2015/ 1/22(木) 「奸臣」の虚像と実像～松永久秀と跡部勝資～
第4回 2015/ 1/29(木) 織田信長の後継者たち
第5回 2015/ 2/ 5(木) 豊臣秀頼の滅亡
第6回 2015/ 2/12(木) 朝鮮出兵と小西行長
第7回 2015/ 2/19(木) 慶長遣欧使節と東国貿易構想
第8回 2015/ 2/26(木) 徳川将軍家の粛清

名前	小川 雄
肩書き	日本大学人文科学研究所研究員、西尾市史編集委員
プロフィール	日本大学大学院文学研究科日本史専攻満期退学。専門は日本中世史・近世史。主な著述として「慶長年間の浦賀貿易について」(『十六世紀史論叢』2)、戦国史研究会編『織田権力の領域支配』(岩田書院)、『戦国大名武田氏と地域社会』(共著、岩田書院)などがある。