大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
19世紀の江戸後期は旅行ブームが到来し、江戸も観光都市になります。『東海道名所図会』などの「名所図会」や十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の出版が火付け役といわれていますが、旅宿事情などその諸相を紹介いたします。

【講義概要】
まずは、18世紀の江戸中期における旅行事情からお話しましょう。次いで「名所図会」の出版が上方に始まり、シリーズ作品が東海道・中山道を下り江戸に至ったこと、戯作者としてヒットに恵まれなかった十返舎一九が『東海道中膝栗毛』を書いた秘話などから語りはじめ、次いで大坂に誕生した旅行代理店「浪華講」の驚くべき協定旅館の範囲、安全な旅を提唱する出版物『旅行用心集』の内容、旅日記に描かれた女性たちの驚きの長期旅行などを紹介します。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 9/30(火) 江戸中期(18世紀)の旅行事情 ― 公用・商用・私用の旅
第2回 2014/10/ 7(火) 上方における「名所図会」出版と江戸における『江戸名所図会』編集
第3回 2014/10/14(火) 戯作者十返舎一九は何故『東海道中膝栗毛』を書いたのか?
第4回 2014/10/21(火) 旅行ブーム到来!大坂に生まれた旅行代理店「浪華講」
第5回 2014/10/28(火) 旅行の注意事項などを網羅した画期的な『旅行用心集』
第6回 2014/11/ 4(火) 旅行企画は伊勢参宮のあと上方と中国地方の寺社参詣と物見遊山
第7回 2014/11/11(火) 東北地方発:伊勢講の道中日記に見る驚きの代参の旅
第8回 2014/11/18(火) 女性たちの旅は「関所を通らない」!?
第9回 2014/11/25(火) 観光都市江戸の名所 ―「江戸見物四日めぐり」と一九『東都見物』
第10回 2014/12/ 2(火) 自由な旅ができない武家女性の箱館(函館)往復道中記

名前	菅野 俊輔
肩書き	江戸文化研究家
プロフィール	江戸文化研究家として講演、テレビ・ラジオ出演、時代考証、著述など幅広く活動中。著書『図説 世界を驚かせた頭のいい江戸のエコ生活』『古地図と名所図会でたどる江戸の落語』(青春出版社)、編著『図解 江戸の旅は道中を知るとこんなに面白い!』(青春出版社)『書いておぼえる江戸のくずし字いろは入門』(柏書房)等。