大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
日本近代化の始点で最も顕著な事象ともいえる「岩倉使節団の旅」の概要を伝え、使節団の首脳たちが、明治日本の進路を決める上で、西洋文明から何を摂取し何を摂取しなかったのかを明かにしたい。

【講義概要】
岩倉使節団の大いなる旅を、自ら取材制作のビデオにより時系列で辿りながら、西洋文明を丸ごと見聞し記録した随員・久米邦武の名著「米欧回覧実記」全五巻を適宜紹介する。また、岩倉具視、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文などの主要メンバーたちの動向に着目し、併せて留守政府の西郷隆盛や大隈重信の動きも見ながら、明治国家を創りあげていった男たちの考えと行動を追いたい。尚、久米は大隈と親しく早稲田でも歴史を講じた。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 4/ 8(火) 大いなる冒険「岩倉使節団」の派遣とその前史
第2回 2014/ 4/15(火) 新しい国アメリカ、大陸横断の旅。大歓迎を受け条約改正交渉へ
第3回 2014/ 4/22(火) ワシントン滞在、大久保と伊藤の帰国、交渉の難航と諸都市回覧
第4回 2014/ 5/13(火) 最盛期の大英帝国を往く、富強（工業と貿易）のからくりを知る
第5回 2014/ 5/20(火) 英国の光と影、貧富の実態と格差
第6回 2014/ 5/27(火) 麗都パリとフランスの底力
第7回 2014/ 6/ 3(火) 新興ドイツと大国ロシア、そして小国の知恵
第8回 2014/ 6/10(火) 西洋文明の源流イタリアとアルプスの国々
第9回 2014/ 6/17(火) 中東アジアの植民地ベルトを往く、そして帰国
第10回 2014/ 6/24(火) 大久保近代化路線の確立と明治国家の形成

【テキスト・参考図書】
参考図書
『岩倉使節団・誇り高き男たちの物語』（祥伝社黄金文庫）（1，048円）（ISBN:4396315899）

名前	泉 三郎
肩書き	ノンフィクション作家、NPO法人米欧亜回覧の会理事長
プロフィール	－