大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
古事記を歴史ではなく、文芸として、その語り口の面白さを漢文で書かれた日本書紀との比較を交えて味わいます。内容にからんだ各地の話題や時々のニュースにも目をむけ、幅広く講釈してまいりますので、話を通じて「古事記の世界」のイメージが描けるようになっていただければと思います。

【講義概要】
古事記上巻冒頭には太安万侶による「序文」が置かれています。ニセモノという学者も古くからいますが、これは太安万侶の漢文作品で古事記と日本書紀の橋渡しとなるものです。古事記全巻の講釈の始まりにあたっては、まずこの文芸作品からじっくり読んでいくことにしましょう。この作品に見られる太安万侶という律令官人の思想に即しつつ、奈良時代の人々の歴史認識の在り方に触れ、古事記を読む立脚点を定めたいと思います。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 4/19(土) 古事記の時代（古事記概説）:成立と享受の歴史～本居宣長の功罪～
第2回 2014/ 5/10(土) 古事記序文講義（1:稽古照今）:序表論争～太安万侶とその学問～
第3回 2014/ 5/17(土) 古事記序文講義（2:壬申の役）:天武天皇のキャラクター～高市皇子と長皇子～
第4回 2014/ 5/31(土) 古事記序文講義（3:稗田阿礼）:古事記の文藝～語る文藝・読む文藝～
第5回 2014/ 6/ 7(土) 古事記序文講義（4:記序文論）:古事記のことば～古事記と日本書紀～

【テキスト・参考図書】
参考図書
『古事記の仕組み』（新典社新書）（1，000円）（ISBN:978-4-7879-6137-2）

名前	志水 義夫
肩書き	東海大学教授
プロフィール	－