大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
「国家公務員制度改革」というと、往々にして国家公務員給与引下げなどの議論に終始しがちだが、本質的な課題は官僚機構をいかに良く機能させるかである。本講座では、官僚機構の現状にどのような問題があり、それが政策形成をどう歪めているのか、それをどうしたら解決できるのかを考察する。このことを通じて、単に「国家公務員制度改革」というトピックにとどまらず、さまざまな政策論争の裏側で働く力学を理解し、公共政策をより深く洞察するための知識と思考枠組みを獲得することを目標とする。また国だけでなく、地方自治体における公務員制度改革についても適宜取り上げていく。

【講義概要】
1.まず官僚機構の現状と課題について、基礎知識の提供も含め概説する。
2.その後以下の4つのテーマについて、政策現場でどのような問題が起きているのか、それが国家公務員制度とどう関わっているのかを検討する。(各テーマに関して、ゲストスピーカーからの話を聞く機会も設ける。)
(1)地方自治と公務員制度
-地方分権はなぜ進まないのか、公務員制度の問題
-地方での公務員制度改革への挑戦(例:大阪市)ゲストスピーカー:機谷俊夫氏(大阪市人事室次長、元国家公務員制度改革推進本部企画官)
(2)国家公務員制度改革への挑戦と失敗
-最近の国会での国家公務員制度改革法案
(3)規制改革と国家公務員制度
-規制改革はなぜ進まないのか、国家公務員制度の問題
ゲストスピーカー:藤原豊氏(内閣官房地域活性化統合事務局参事官(国家戦略特区担当)、元・規制改革推進室参事官補佐)
(4)メディア報道と公務員制度
ゲストスピーカー:磯山友幸氏(経済ジャーナリスト)

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 5/11(日) 地方自治と公務員制度
第2回 2014/ 5/18(日) 地方自治と公務員制度
第3回 2014/ 5/25(日) 国家公務員制度改革への挑戦と失敗
第4回 2014/ 6/ 1(日) 規制改革と国家公務員制度
第5回 2014/ 6/ 8(日) メディア報道と公務員制度

【テキスト・参考図書】
参考図書
『官僚のレトリック―霞が関改革はなぜ迷走するのか』（新潮社）（1，470円）（ISBN:978-4103251514）

名前	原 英史
肩書き	(株)政策工房代表取締役、元経産省官僚
プロフィール	－