大学公開講座のセカンドアカデミー

古代メソポタミア文明三千年の歴史のうち、前2千年紀前半（古バビロニア時代）の社会経済に焦点を当て、その特徴を理解することを目指します。古代メソポタミアにおける「法（欽定法）」編纂の歴史と『ハンムラビ「法典」』に書かれた碑文（「序文」・282条の条文・「跋文」）の体系的な理解を図り、何故古代メソポタミア社会に「法」が誕生したかを考えます。


世界最古の「法典」あるいは「目には目を」の復讐刑で有名な『ハンムラビ「法典」』。この「法典」は、バビロン第1王朝第6代ハンムラビがメソポタミア統一を期に布告したものと言われる。

しかしながら、この「法典」が決して最古の法典ではなく、また、「目には目を」は必ずしもこの「法典」の本質ではないとすればどうだろうか。この講座では「法典」が発布された古バビロニア時代までの社会とその実情を知ることから始め、「法典」に書かれた内容との因果関係を受講者とともに探っていきます。



参考図書

『原典訳?ハンムラビ「法典」』（リトン）（3,000円）

『歴史学の現在?古代オリエント』（山川出版社）（1,800円）


(予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください)

第1回　古代メソポタミア文明のとらえ方・アッシリア学の研究法と基礎知識

第2回　古代メソポタミア社会の特徴「都市型地縁社会」

第3回　古バビロニア時代までの政治史の流れ「都市国家から統一国家へ」

第4回　ウル第三王朝までの社会経済史「家産経済」

第5回　古バビロニア時代の社会経済史「民間委託経済」

第6回　古代メソポタミアにおける「法」編纂の歴史（１）

第7回　古代メソポタミアにおける「法」編纂の歴史（２）

第8回　「ハンムラビ法典」碑の特徴「伝統と改革」

第9回　「ハンムラビ法典」の法条項「司法体制の確立」

第10回　「ハンムラビ法典」の法条項「刑法・窃盗罪」

第11回　「ハンムラビ法典」の法条項「イルクム法」

第12回　「ハンムラビ法典」の法条項「農事法」

第13回　「ハンムラビ法典」の法条項「債権法」

第14回　「ハンムラビ法典」の法条項「商法」

第15回　「ハンムラビ法典」の法条項「家族法」（１）結婚

第16回　「ハンムラビ法典」の法条項「家族法」（２）相続

第17回　「ハンムラビ法典」の法条項「刑法・傷害罪」

第18回　「ハンムラビ法典」の法条項「公定価格」

第19回　「ハンムラビ法典」の法条項「奴隷売買法」

第20回　ハンムラビの統合国家体制とその後

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名前	川崎　康司
肩書き	早稲田大学 文学部 講師
プロフィール	－