大学公開講座のセカンドアカデミー

【講義概要】
目覚ましい経済発展の結果、もはや一人当たり所得で日本を抜いた韓国だが、世界最低水準の出生率、最高水準の自殺率が象徴するように社会的には大きなひずみを抱える。その背景には長期化する若年失業や雇用の不安定化、様々な格差（所得や資産、ソウルと地方、大企業と中小企業、男女賃金など）の定着、社会保障整備の遅れ、不動産価格と表裏をなす家計債務の膨張、財政余力の低下など1997年の通貨危機から続く構造問題の累積が存在している。日本でも親しまれるようになった韓流コンテンツの中にはそうした社会のひずみを鋭く表現したものが多い。本講義では典型的な動画を教材としながら、ダイナミックな発展がもたらす矛盾や社会対価を議論する。

【各回の講義予定】
第1回 2023/11/24(金) 通貨危機とは何だったのか?:「国家が破産する日」(2019年公開)
第2回 2023/12/ 1(金) 雇用の不安定化:「明日へ」(2015年公開)
第3回 2023/12/ 8(金) 不動産依存型成長:「パラサイト?半地下の家族」(2020年公開)

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	深川 由起子
肩書き	早稲田大学政治経済学術院教授、競技スポーツセンター副所長
プロフィール	早稲田大学政治経済学部卒、Yale大学 大学院(MA)、早稲田大学大学院商学研究科博士課程(Ph.D)修了。韓国などを中心に東アジアの貿易と経済発展を専攻。日本貿易振興機構(JETRO)、長銀総合研究所、青山学院大 学経済学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を経て 2006 年より現職。2014 年 Cambridge 大学訪問研究員、2015 年韓国・延世大学訪問研究員。外国為替審議会、 産業構造審議会、農林審議会、第一次安倍政権下での「アジアゲートウェイ会議」など多数の政府委員や、「日韓新時代共同研究」の経済部門座長などを務める。第15-16期日本学術会議会員。