講座詳細情報
申し込み締切日:2021-06-30 / その他教養 / 学内講座コード:120793
中南米レポート2021 新たな変動期に直面した中南米情勢を読み解く
- 開催日
- 7月 2日(金)~ 9月 3日(金)
- 講座回数
- 8回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 8,000円
- 受講料
- 23,760円
- 定員
- 30
- その他
- ビジター価格 27,324円
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【目標】
・「収奪的制度」を継承した中南米社会の歴史的形成と現在の構造・課題について理解を深める。
・反政府デモ・社会暴動の連鎖、コロナ危機など最新の地域の事象について理解を深める。
・なぜ中南米では反米になりやすいか、その源流と現状を理解する。
・日本や中国との関係について米中「新冷戦」の到来の中から捉える。
【講義概要】
21世紀に入り中南米は「資源ブーム」を追い風に高成長を遂げ、新たな中間層の出現を見ました。しかし2014年以降の中国経済の減速などに伴う経済低迷を背景に、汚職の広がりや治安悪化が顕在化し、豊かさを手にしたはずの中間層の期待は挫折に変わりました。既存政治に対する不信が渦巻き、政府への怒りが増幅されています。大統領選挙での新興ポピュリズム勢力の勝利(メキシコ、ブラジル)、暴力を伴う大規模な反政府抗議行動や社会的混乱の連鎖が地域を襲いました。とくに自由主義経済により成長を遂げた中南米の「優等生」チリでの大規模な抗議行動の広がりは、衝撃を与えました。民主制度が定着し先進国入りを目前にした国々で、植民地時代の遺制である格差・差別構造の是正を鋭く突き付けられました。加えて新型コロナウイルスの感染拡大は、医療体制を含む政府能力の弱さや機能の欠如、雇用における非正規部門の大きさなど、開発に伴う構造的問題をあぶり出し、中南米は世界の主要な感染源となり、未曾有の社会経済危機を迎えています。また「アメリカ第一主義」を唱えた米トランプ政権の中南米軽視は、その「裏庭」視されてきた中南米で急速に台頭する中国の影響力を強め(反対に日本のプレゼンスは低下)、それを中南米を含む同盟諸国との連携強化によって是正しようとするバイデン政権の下で、米中「新冷戦」の影響が現実味を増しつつあります。最新情勢とトレンド分析を踏まえ、2020年代に向けて新たな展開を見せる中南米の政治・経済を展望します。
【各回の講義予定】
第1回 2021/ 7/ 2(金) 激動の2010年代を総括する
第2回 2021/ 7/ 9(金) 収奪的制度を継承した中南米:「先進国」チリでの未曾有の暴力行為・大規模抗議活動を例に考える
第3回 2021/ 7/16(金) 「資源ブーム」で台頭した新たな中間層の期待と挫折
第4回 2021/ 7/30(金) それでも左派政権の退潮はトレンドとして動かない:ベネズエラ危機からボリビア初の先住民政権の破綻
第5回 2021/ 8/ 6(金) 危機に立つ民主主義:議会解散、大統領辞任で揺れるペルー危機を例に考える
第6回 2021/ 8/20(金) コロナ危機があぶり出した構造的問題
第7回 2021/ 8/27(金) なぜ南は反米になるのか:あるいは中南米の反米連携の限界
第8回 2021/ 9/ 3(金) 中国の台頭と米中「新冷戦」の中で、日本の中南米外交の可能性
・「収奪的制度」を継承した中南米社会の歴史的形成と現在の構造・課題について理解を深める。
・反政府デモ・社会暴動の連鎖、コロナ危機など最新の地域の事象について理解を深める。
・なぜ中南米では反米になりやすいか、その源流と現状を理解する。
・日本や中国との関係について米中「新冷戦」の到来の中から捉える。
【講義概要】
21世紀に入り中南米は「資源ブーム」を追い風に高成長を遂げ、新たな中間層の出現を見ました。しかし2014年以降の中国経済の減速などに伴う経済低迷を背景に、汚職の広がりや治安悪化が顕在化し、豊かさを手にしたはずの中間層の期待は挫折に変わりました。既存政治に対する不信が渦巻き、政府への怒りが増幅されています。大統領選挙での新興ポピュリズム勢力の勝利(メキシコ、ブラジル)、暴力を伴う大規模な反政府抗議行動や社会的混乱の連鎖が地域を襲いました。とくに自由主義経済により成長を遂げた中南米の「優等生」チリでの大規模な抗議行動の広がりは、衝撃を与えました。民主制度が定着し先進国入りを目前にした国々で、植民地時代の遺制である格差・差別構造の是正を鋭く突き付けられました。加えて新型コロナウイルスの感染拡大は、医療体制を含む政府能力の弱さや機能の欠如、雇用における非正規部門の大きさなど、開発に伴う構造的問題をあぶり出し、中南米は世界の主要な感染源となり、未曾有の社会経済危機を迎えています。また「アメリカ第一主義」を唱えた米トランプ政権の中南米軽視は、その「裏庭」視されてきた中南米で急速に台頭する中国の影響力を強め(反対に日本のプレゼンスは低下)、それを中南米を含む同盟諸国との連携強化によって是正しようとするバイデン政権の下で、米中「新冷戦」の影響が現実味を増しつつあります。最新情勢とトレンド分析を踏まえ、2020年代に向けて新たな展開を見せる中南米の政治・経済を展望します。
【各回の講義予定】
第1回 2021/ 7/ 2(金) 激動の2010年代を総括する
第2回 2021/ 7/ 9(金) 収奪的制度を継承した中南米:「先進国」チリでの未曾有の暴力行為・大規模抗議活動を例に考える
第3回 2021/ 7/16(金) 「資源ブーム」で台頭した新たな中間層の期待と挫折
第4回 2021/ 7/30(金) それでも左派政権の退潮はトレンドとして動かない:ベネズエラ危機からボリビア初の先住民政権の破綻
第5回 2021/ 8/ 6(金) 危機に立つ民主主義:議会解散、大統領辞任で揺れるペルー危機を例に考える
第6回 2021/ 8/20(金) コロナ危機があぶり出した構造的問題
第7回 2021/ 8/27(金) なぜ南は反米になるのか:あるいは中南米の反米連携の限界
第8回 2021/ 9/ 3(金) 中国の台頭と米中「新冷戦」の中で、日本の中南米外交の可能性
備考
【ご受講に際して】
◆世界情勢の変化によって、講座内容が変更になることがあります。
◆知識や情報を簡単に入手できる時代です。適確な情報を積極的に収集して授業に臨んでほしいと思います。
◆各回の講義では概要についてレジュメを配布します。テキストは使用しません。
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
◆世界情勢の変化によって、講座内容が変更になることがあります。
◆知識や情報を簡単に入手できる時代です。適確な情報を積極的に収集して授業に臨んでほしいと思います。
◆各回の講義では概要についてレジュメを配布します。テキストは使用しません。
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 遅野井 茂雄 |
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肩書き | 筑波大学名誉教授、ラテンアメリカ協会理事 |
プロフィール | アジア経済研究所、在ペルー日本大使館を経て、南山大学・筑波大学教授、日本ラテンアメリカ学会理事長などを歴任。専門は、ラテンアメリカ政治・国際関係。40年以上にわたり中南米情勢をウォッチ、現在『現代用語の基礎知識』で「中南米」、『国際情報サイトForesight』で「中南米の部屋」を担当している。 |