大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・アメリカを中心として近代スポーツの歴史を理解する。
・人種、民族(エスニシティ)などの概念を理解する。
・アメリカや他の国々で近代スポーツが人種・民族(エスニシティ)の格差や差異との交渉、調停、連携を通じて文化的統合をもたらそうとする過程を理解する。

【講義概要】
私たちにとって縁の深いアメリカ合衆国で、非常に注目を集めながら、日本では十分に研究されてこなかった文化的領域の一つにスポーツがあります。野球のMLB、バスケットボールのNBA、アメフトのNFL等人気のプロリーグから、陸上競技、ボクシング、オリンピック、パラリンピックに至るまで、アメリカンスポーツの魅力は様々な競技や活動に及んでいますが、これら近代スポーツが、全体として、国民国家の形成過程で、人種・民族(エスニシティ)による分裂や摩擦のリスクを軽減する役割を果たし、文化的な統合に貢献してきたことは十分に知られていません。この授業では、スポーツという文化的な活動および領域が、アメリカ合衆国や他の国々で人種・民族(エスニシティ)による格差や差異と交渉し、連携し、あるいはこれらを調停しながら、国家に文化的な統合をもたらそうとする過程を、スポーツ文化研究やスポーツ史研究による検証に基づいて明らかにします。

【各回の講義予定】
第1回 2019/ 4/12(金) 近代スポーツの発展1
第2回 2019/ 4/19(金) 近代スポーツの発展2
第3回 2019/ 4/26(金) アメリカスポーツ文化の成熟
第4回 2019/ 5/10(金) ムラート(混血)アスリートの時代
第5回 2019/ 5/17(金) 分離から統合へ
第6回 2019/ 5/24(金) 黒人身体能力神話とスポーツ遺伝子
第7回 2019/ 5/31(金) 有力アスリートのグローバルマップ(世界地図)
第8回 2019/ 6/ 7(金) アメリカ先住民/アジア系とスポーツ
第9回 2019/ 6/14(金) まとめ1:人種・民族(エスニシティ)の差異・境界とスポーツ
第10回 2019/ 6/21(金) まとめ2:人種・民族(エスニシティ)とスポーツ

【テキスト・参考図書】
参考図書
『人種とスポーツ　黒人は本当に「速く」「強い」のか』（中公新書）（ISBN:978-4121021632）
『スポーツの世界史』（一色出版）（ISBN:978-4909383044）
『アメリカ文化事典』（丸善出版）（ISBN:978-4621302149）

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	川島 浩平
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	東京生まれ。博士(米国ブラウン大学)。専門はスポーツ文化論、アメリカ研究。早稲田大学スポーツ科学学術院等でスポーツ文化論、スポーツ人類学などを担当。書籍等著作物として『人種とスポーツ』(中公新書)、『アメリカ文化事典』(共編、丸善)、『スポーツの世界史』(共著、一色出版)などがある。