大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
道元の主著である『正法眼蔵』の各巻を講読します。『正法眼蔵』は、言うまでもなく、道元の仏道修行にもとづいた著作です。それは、深い宗教体験から発せられる言葉で書かれており、そこには、道元が追い求めた禅の世界、仏教の世界が縦横無尽に展開されています。本書は難解な著作と言われてはいますが、本書の講読をとおして、禅の教え、仏教の教えを学びます。『正法眼蔵』を学ぶことにより、自らが生きる人生の意義を考えるばかりではなく、どのように現代の社会を生きていくか、混迷をきわめ、多様化する現代社会を生き抜くための智慧を学びます。

【講義概要】
『正法眼蔵』「心不可得」の巻を講読します。この巻のタイトルになっている「心不可得」は『金剛般若経』に説かれている教えであり、それは「過去心不可得、現在心不可得、未来心不可得」という言い方で説かれています。本講座では、まず『金剛般若経』に説かれている「過去心不可得、現在心不可得、未来心不可得」の教えを解説し、続いて、その教えをめぐる徳山宣鑑と婆子の問答について解説します。そして、その「心不可得」について、道元が、どのように受けとめているのか、どのように説いているのか、できるだけ分かり易く丁寧に解説し、修行体験にもとづく道元の禅の世界を明らかにしていきたいと考えています。

【各回の講義予定】
第1回 2018/ 4/10(火) 『正法眼蔵』について
第2回 2018/ 4/17(火) 「心不可得」巻の講読(1)
第3回 2018/ 4/24(火) 「心不可得」巻の講読(2)
第4回 2018/ 5/ 8(火) 「心不可得」巻の講読(3)
第5回 2018/ 5/15(火) 「心不可得」巻の講読(4)
第6回 2018/ 5/22(火) 「心不可得」巻の講読(5)
第7回 2018/ 5/29(火) 「心不可得」巻の講読(6)
第8回 2018/ 6/ 5(火) 「心不可得」巻の講読(7)
第9回 2018/ 6/12(火) 「心不可得」巻の講読(8)
第10回 2018/ 6/19(火) 「心不可得」巻の講読(9)

【テキスト・参考図書】
参考図書
『粟谷良道原作 まんが 道元さまものがたり 上巻』（曹洞宗宗務庁）
『粟谷良道原作 まんが 道元さまものがたり 下巻』（曹洞宗宗務庁）
『粟谷良道原作まんが 続道元さまものがたり』（曹洞宗宗務庁）

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	粟谷 良道
肩書き	駒澤大学講師
プロフィール	1953年滋賀県生まれ。駒澤大学仏教学部卒業後、同大学院人文科学研究科博士課程満期退学。専門分野は、禅学、仏教学。曹洞宗宗学研究所研究員、曹洞宗総合研究センター専任研究員、主任研究員を経て現在に至る。著書に共編『道元引用語録の研究』(春秋社)、編著『禅語録傍訳全書』第7巻～第9巻(四季社)などがある。