大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
中世ヨーロッパ（特に西ヨーロッパ）において、キリスト教の果たした役割は計り知れないほど大きいものでした。とりわけ修道院が中世ヨーロッパの政治、経済、社会、文化、生活のあらゆる面に強い影響を及ぼしてきました。まさに修道院がヨーロッパ文化を紐解くための鍵とも言えます。中世ヨーロッパの修道院の様々な側面を通してヨーロッパの歴史と文化について考えていきます。

【講義概要】
西欧中世初期～盛期（5世紀半ば～12世紀）を中心に、修道院という組織の成立と変遷、さらにそこに住む修道士たちの世界、社会との関わり、文化への寄与という側面に焦点をあてて話を進めていきます。主な内容は以下の通りです。1.修道制の起源と西欧への伝播 2.聖ベネディクトゥスの『戒律』と西欧への普及 3.修道士の日常生活 4.政治および経済的主体としての修道院 5.知の拠点としての修道院 6.修道院の刷新運動。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/ 7(木) 序:修道院とは何か
第2回 2016/ 4/14(木) 修道制の起源
第3回 2016/ 4/21(木) 西欧型修道制のはじまり
第4回 2016/ 4/28(木) アイルランドの修道制
第5回 2016/ 5/12(木) 聖ベネディクトゥスと『戒律』
第6回 2016/ 5/19(木) 修道士の日常生活
第7回 2016/ 5/26(木) 政治勢力としての修道院
第8回 2016/ 6/ 2(木) 修道院所領と経済活動
第9回 2016/ 6/ 9(木) 「知の拠点」としての修道院
第10回 2016/ 6/16(木) 原点への回帰―刷新運動のはじまり―

名前	奥村 優子
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	早稲田大学第一文学部(西洋史学)卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は西洋中世史。現在の研究分野は、西欧中世初期の修道院所領経営。主要論文「8～11世紀ライン中流地域における修道院所領経営・流通・王権-ロルシュ修道院の場合-」『西洋史学論集』第41号。