大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
音楽作品を理解するには、それがなぜ生まれ、どのような場所で演奏されたのかを把握することが重要である。そこでここでは、作品が生まれた時代の政治的、社会的、あるいは宗教的な背景を踏まえながらその問題を考える。

【講義概要】
中世以来のヨーロッパの音楽の流れを概観するこの講座では、一昨年から、ヨーロッパの音楽全体にも大きな影響を与えてきたイタリアの音楽を概観しているが、昨年度は15世紀後半のミラノ、フェッラーラ、マントヴァと、16世紀のナポリとローマの音楽について扱った。本年度は16世紀のヴェネツィア、フェッラーラ、マントヴァ、そしてフィレンツェの音楽に焦点をあてて、それぞれの都市でどのように次の世紀につながる新しい動きが見られたのかを概観したい。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/13(水) 16世紀のヴェネツイア:
ペトルッチの楽譜出版(1)
第2回 2016/ 4/20(水) ペトルッチの楽譜出版(2)
第3回 2016/ 4/27(水) サン・マルコ大聖堂の音楽:
ヴィラールトの活動
第4回 2016/ 5/11(水) ザルリーノとダッラ・カーザ
第5回 2016/ 5/18(水) クラウディオ・メールロ
第6回 2016/ 5/25(水) アンドレア・ガブリエーリ
第7回 2016/ 6/ 1(水) ジョヴァンニ・ガブリエーリ
第8回 2016/ 6/ 8(水) アルフォンソ1世時代のフェッラーラ
第9回 2016/ 6/15(水) エルコレ2世時代のフェッラーラ
第10回 2016/ 6/22(水) アルフォンソ2世時代のフェッラーラ
第11回 2016/ 9/28(水) 16世紀前半のマントヴァ
第12回 2016/10/ 5(水) グリエルモ時代のマントヴァ
第13回 2016/10/12(水) グリエルモ時代からヴィンチェンツォ1世時代へ
第14回 2016/10/19(水) ヴィンチェンツォ1世時代のマントヴァ
第15回 2016/10/26(水) 16世紀前半のフィレンツエ
第16回 2016/11/ 2(水) フィレンツェ公アレッサンドロの宮廷
第17回 2016/11/ 9(水) コジモ1世時代
第18回 2016/11/16(水) 16世紀後半のフィレンツエ
第19回 2016/11/30(水) カメラータの活動
第20回 2016/12/ 7(水) オペラの登場

名前	今谷 和徳
肩書き	共立女子大学講師
プロフィール	1945年生まれ。早稲田大学第一法学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程(西洋史専攻)単位取得満期退学。専門は西洋音楽史(ルネサンス音楽)。単著に『新版・中世ルネサンスの社会と音楽』(音楽之友社)、『ルネサンスの音楽家たち(I・II)』(東京書籍)など、共著に『フランス音楽史』(春秋社)などがある。