大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
現代作家の新鮮な文体や表現の技法に親しんで、イギリス文学の魅力を再発見していただけたら、と思います。

【講義概要】
かつて学生時代に原書講読の授業で、言葉が生み出す精緻な世界に引きこまれ、しばしば日常とは全く異質の濃密な時を過ごしました。それは効用や目的意識から解放された、まさに読むことの喜びそのものの経験でした。慌ただしい生活の中でいつの間にか見失ってしまった、あのかけがえのない静かな時間を、できればこの機会にとり戻し、皆様と共有したいというのが私の願望ですが、この講座をどのように活用してくださるか、それは言うまでもなく、全く皆様の自由です。アイリス・マードックを選んだのは、人生を見つめるまなざしの深さと、多彩な物語性に惹かれてのことです。進度は毎回、原書5頁程度。輪読の形式で。テキストはIris Murdoch: AFairly Honourable DefeatのP.1からVintage Classics版を使います。作品の主要なテーマは愛をめぐる人間関係の力学と言ったらいいでしょうか。初回に作家について簡単な解説を試みます。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/ 9(土) 1)作家と作品の解説
2)テキスト3頁～4頁購読
第2回 2016/ 4/16(土) テキスト約5頁の購読と解説
第3回 2016/ 4/23(土) テキスト約5頁の購読と解説
第4回 2016/ 5/ 7(土) テキスト約5頁の購読と解説
第5回 2016/ 5/14(土) テキスト約5頁の購読と解説
第6回 2016/ 5/21(土) テキスト約5頁の購読と解説
第7回 2016/ 5/28(土) テキスト約5頁の購読と解説
第8回 2016/ 6/ 4(土) テキスト約5頁の購読と解説
第9回 2016/ 6/11(土) テキスト約5頁の購読と解説
第10回 2016/ 6/18(土) テキスト約5頁の購読と解説
第11回 2016/10/ 1(土) 1)作家と作品の解説
2)テキスト3頁～4頁購読
第12回 2016/10/ 8(土) テキスト約5頁の購読と解説
第13回 2016/10/15(土) テキスト約5頁の購読と解説
第14回 2016/10/22(土) テキスト約5頁の購読と解説
第15回 2016/10/29(土) テキスト約5頁の購読と解説
第16回 2016/11/12(土) テキスト約5頁の購読と解説
第17回 2016/11/19(土) テキスト約5頁の購読と解説
第18回 2016/11/26(土) テキスト約5頁の購読と解説
第19回 2016/12/ 3(土) テキスト約5頁の購読と解説
第20回 2016/12/10(土) テキスト約5頁の購読と解説

【テキスト・参考図書】
参考図書
『A Fairly Honourable Defeat』（Iris Murdoch作）(Vintage Classics)

名前	栗原 行雄
肩書き	翻訳家、早稲田大学元教授
プロフィール	茨城県出身。早稲田大学大学院卒業。翻訳家、早稲田大学元教授。専門分野は英米文学。主な著訳書にアイリス・マードック『ユニコーン』(晶文社、訳著)、アイリス・マードック『砂の城』(集英社文庫、訳著)、アイリス・マードック『勇気さえあったなら』(集英社、訳著)、A・S・バイアット『抱擁』(新潮社、訳著)等がある。