大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
『源氏物語』の原文を丁寧に読み解くことを目標とします。たとえば、ある単語がなぜその箇所で用いられているのか、その必然性をじっくり考える、というような読み方を心がけるようにしたいとおもいます。

【講義概要】
現代語訳・概説書の類が多くある『源氏物語』ですから、この物語の世界のあらましをとらえることはある意味で容易です。しかし、できればその原文にもふれてみましょう。『源氏物語』の言葉が構築する世界のゆたかな拡がりは格別です。なるべくわかりやすい説明を心がけますので、初心者の方も遠慮されずにご参加ください。今年度は「初音」巻の最初から「胡蝶」巻、「蛍」巻と順に読みすすめます。養女玉鬘(たまかづら)を迎えた六条の院を舞台に、玉鬘求婚譚が展開します。また、「蛍」巻の後半には、有名な「物語論」の段もあり、要注目です。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/12(火) 「初音」巻までの概説、 「初音」巻 段落〔一〕・〔二〕
第2回 2016/ 4/19(火) 「初音」巻 段落〔三〕前半
第3回 2016/ 4/26(火) 「初音」巻 段落〔三〕後半・〔四〕
第4回 2016/ 5/10(火) 「初音」巻 段落〔五〕前半
第5回 2016/ 5/17(火) 「初音」巻 段落〔五〕後半
第6回 2016/ 5/24(火) 「初音」巻 段落〔六〕
第7回 2016/ 5/31(火) 「胡蝶」巻 段落〔一〕前半
第8回 2016/ 6/ 7(火) 「胡蝶」巻 段落〔一〕後半・〔二〕前半
第9回 2016/ 6/14(火) 「胡蝶」巻 段落〔二〕後半・〔三〕
第10回 2016/ 6/21(火) 「胡蝶」巻 段落〔四〕前半
第11回 2016/10/ 4(火) 「胡蝶」巻 段落〔四〕後半
第12回 2016/10/11(火) 「胡蝶」巻 段落〔五〕・〔六〕前半
第13回 2016/10/18(火) 「胡蝶」巻 段落〔六〕後半・〔七〕
第14回 2016/10/25(火) 「蛍」巻 段落〔一〕・〔二〕・〔三〕前半
第15回 2016/11/ 1(火) 「蛍」巻 段落〔三〕後半・〔四〕
第16回 2016/11/ 8(火) 「蛍」巻 段落〔五〕・〔六〕・〔七〕
第17回 2016/11/15(火) 「蛍」巻 段落〔八〕
第18回 2016/11/22(火) 「蛍」巻 段落〔九〕前半
第19回 2016/11/29(火) 「蛍」巻 段落〔九〕後半・〔一〇〕
第20回 2016/12/ 6(火) 「蛍」巻 段落〔一一〕・〔一二〕

【ご受講に際して】
◆教科書『古典セレクション 源氏物語（7）』の10・11ページ、「初音」巻の梗概と作中人物の系図を事前に見ておいてください。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『『古典セレクション 源氏物語(7)』』（小学館）（1，600円）（ISBN:978-4093620871）

名前	陣野 英則
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1965年福島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。平安時代文学を専攻。著書に『源氏物語の話声と表現世界』(勉誠出版)、共編著に『テーマで読む源氏物語論1～3』(勉誠出版)、『王朝文学と東ユーラシア文化』(武蔵野書院)など。