大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
環境規制要因のうち、基本的な温度・圧力・化学組成について、その意義と実態を理解し、測定の方法などについて考究する。地球に係る物象の温度の変遷、圧力の関与、水との反応などを基軸に、自然の絡繰の一端を理解する。

【講義概要】
身の回りの諸現象の中で、当たり前のことと考えがちな、温度と圧力、そして水と塩と二酸化炭素を巡る物語。環境を規制するこれら要因の原理の認知と測定・評価の方法を識り、認識や変化に対する誤解および錯覚からの脱出を図る。ハビタブルゾーンという類希なる環境幅の中に我々が居ることの「必然」、有機世界における生命の妙と、無機世界における物質の成長と進化、の本質を考察する。また、地球温暖化現象に関連するいくつかの室内実験を実施する。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 1/ 8(金) 温度の考え方（温度の本質、温度と熱、原理と扱い、単位）、温度の研究史、物質の三態と温度、地温・気温・水温・体温、生活の中の温度、など
第2回 2016/ 1/15(金) 温度測定法（機器の扱い、原理と実測）、簡易実験、ハビタブルゾーン、地球内部の温度とその変化、火山と地熱と温泉、地球温暖化問題、など
第3回 2016/ 1/22(金) 圧力の考え方（力と圧力、真空、原理と扱い、単位）、大気圧・風圧・静水圧・岩圧、鉱物の生成と圧力、生活の中の圧力、圧力測定法、簡易実験、など
第4回 2016/ 1/29(金) 組成の考え方（1成分系、2成分系、3成分系、多成分系、相図の理解）、水の系、塩水の系、二酸化炭素の系、簡易観察、身の回りの現象とT-P-X関係、など

【テキスト・参考図書】
参考図書
『よくわかる岩石・鉱物図鑑』（実業之日本社）（1，300円）（ISBN:9784408453170）
『地球進化46億年の物語』（講談社）（1，160円）（ISBN:9784062578653）

名前	円城寺 守
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	1943年旧満州国生まれ。早稲田大学理工学部卒業、東京教育大学大学院理学研究科修了(理学博士・東京教育大学)。元早稲田大学教育学部教授。専門分野は、鉱床地質学、鉱石鉱物学、環境科学。著書に、『よくわかる岩石・鉱物図鑑』(実業之日本社)、『地球進化46億年の物語』(監訳、講談社)など。