大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
航空機、鉄道、自動車がなかった時代に、人々はユーラシアの砂漠、土漠、草原、山岳を越え、広大な東西南北をどれほどの日数をかけてどのように旅したのか、あるいは消えていったのかを、今日の安全かつ短期の旅と比較して議論します。

【講義概要】
交易の黎明期、その行路には、野心に燃えた冒険者、戦士、僧侶・宣教師、そして楽師等の往来。隊商たちはネットワークを張りめぐらし縦横無尽に活躍、その陰には売買される奴隷たちの嘆きもありました。
玄奘やマルコポーロはもちろん、それほど知られていない多くの人々がどのような希望と苦難を伴って茫漠たる地を東西南北に旅したか、その行程を辿ります。旅によってもたらされた災禍、忘却された悲話、そして歴史には何が残ったのか。さらにその対比で、あまりにも恵まれた今日の旅の問題点は何かを議論したいと思います。

【主な講義内容】
アレキサンダー、張騫、玄奘、マルコポーロ等の概観 /
軍団、僧侶・宣教師、そしてユーモリストのナスラディン・ホジャ / 戦禍と黒死病 /
白人奴隷とトルコ系奴隷 / 交易、侵略、そして伝教 / 航空機、高速鉄道、バス旅行 / 何が貴重なお土産か

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 7/11(土) アレキサンダー、張騫、玄奘、マルコポーロ等の概観
第2回 2015/ 7/18(土) 軍団、僧侶・宣教師、そしてユーモリストのナスラディン・ホジャ
第3回 2015/ 7/25(土) 戦禍と黒死病 / 白人奴隷とトルコ系奴隷
第4回 2015/ 8/ 1(土) 交易、侵略、そして伝教
第5回 2015/ 8/ 8(土) 航空機、高速鉄道、バス旅行 / 何が貴重なお土産か

【テキスト・参考図書】
参考図書
『イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータ』（山川出版社）（800円）（ISBN:978-4634350281）
『シルクロードの響き』（山川出版社）（1，619円）（ISBN:978-4634648203）
『法顕伝・宋雲行紀』（平凡社）（2，400円）（ISBN:978-4582801941）
『ナスレッディン・ホジャ物語』（平凡社）（3，400円）（ISBN:978-4256800386）
『ヨーロッパの中世（4）旅する人びと』（岩波書店）（2，800円）（ISBN:978-4000263269）

名前	北村 歳治
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	出身校:東京大学、オックスフォード大学院。大蔵省、IMF等を経て公益監視委員会ボードメンバー。専攻は金融経済論。主な著書・論文等:『オリエンタル・トレード』(1997年)、『中央アジア経済』(1999年)、「市場利子率の機能分析」(2006年)、「ネット金融サービスとその担い手」(2007年)、『現代のイスラム金融』(2008年、共著)、「近年における金融分野の基調的な変化」(2014年)。