大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
イタリア・バロック美術の創始者にして代表者、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。38年の短い生涯ながらその影響をヨーロッパ全土に及ぼすこととなった彼の作品を読み解き、時代に照らし合わせてその全体像を考察し理解することが目標です。

【講義概要】
対抗宗教改革期のローマに登場したカラヴァッジョは、強烈な個性でたちまち有名画家となり多くの追随者を生みだします。徹底した写実描写、強烈な明暗対比、大胆な構図の作品は新時代の到来にふさわしく、熱狂的に迎えられると同時に、激情的な性格も禍して美的伝統的規範からの逸脱、品位の欠如と非難もあびます。彼の劇的な生涯を辿り、前時代や同時代の作品と比較し、深い信仰心で貫かれた宗教画、時代に先駆けた風俗画や静物画を分析し、その特徴と魅力をじっくり解説します。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 7/ 8(水) 新時代の幕開け、バロックの誕生
第2回 2015/ 7/15(水) ローマでの成功、個性の確立
第3回 2015/ 7/22(水) 殺人事件と逃亡と作品制作
第4回 2015/ 7/29(水) 聖性の表現

名前	真野 宏子
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学・早稲田大学)。専門分野は、西洋美術史および芸術学。訳書に『エドヴァルト・ムンク』、『トゥールーズ・ロートレック』(PARCO出版)など。