大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
古文書を初めて学ぶ方を対象とし、近世文書のくずし字や独特の言い回し、解釈の方法を学びます。その上で江戸時代初期の政治への理解を深めます。古文書に親しみを感じられるようになることが、まずは目標です。

【講義概要】
本講義は、主に土佐山内家の文書など武家文書を解読しながら、近世初期の政治史を学ぶものです。近世初期の政治は決して安定したものではなく、非常に混沌としたものでした。そこから徳川将軍家はいかにして「徳川の平和」を築き上げたのか。古文書を丁寧に解読しながら、その一端を探っていきましょう。なお、私は現職場や高知の土佐山内家宝物資料館で武家文書の整理に携わってきました。講義では、時間の許す限り、武家文書の伝来経緯や保存・管理の現状なども紹介したく思っています。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/ 6(月) 江戸幕府の成立
第2回 2015/ 4/13(月) 徳川家康と豊臣秀頼の二条城会見
第3回 2015/ 4/20(月) 徳川家康の遺言
第4回 2015/ 4/27(月) 福島正則の改易
第5回 2015/ 5/11(月) 寛永度諸国巡検使の派遣
第6回 2015/ 5/18(月) 3代将軍家光の上洛と領知朱印改
第7回 2015/ 5/25(月) 江戸幕府老中制の成立
第8回 2015/ 6/ 1(月) 寛永の大飢饉
第9回 2015/ 6/ 8(月) 大名家と取次譜代大名・旗本との交際
第10回 2015/ 6/15(月) 将軍と大名の下賜・献上儀礼

名前	種村 威史
肩書き	国文学資料館機関研究員
プロフィール	青森県生まれ。博士(歴史学、國學院大學)。専門分野は、日本近世前期政治史、近世史料学、歴史アーカイブズ。最近の論文には「松代藩代官の職制と文書行政」(福澤徹三・渡辺尚志編『藩地域の農政と学問・金融 ― 信濃国松代藩地域の研究IV』岩田書院、2014年)がある。