大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
仏教の深遠なる世界を探求するのは容易ではない。仏教そのものが時代とともに変容したからであり、また、伝播したそれぞれの領域において固有な発展を遂げたからである。そうした仏教の世界に入るには、まず、インドにおける初期の仏教の教理を学び、次に、それがどのように展開していったのかを調べる、という階梯を踏む必要があろう。講義では、仏教の基本的な教理の理解を目標としたい。

【講義概要】
古代インドの伝統的なウパニシャッド哲学の優勢な時代に、自由思想家の一人として釈尊はどのような定説を提唱したのか。バラモン教との比較というこの視点から、初期の仏教の教理の特色を考察する。釈尊はいかに修行したのか。釈尊の最初の説法はどのようにして行われたのか。仏典を通して若き時代の釈尊の心の姿勢に触れてみたい。更に、説法の内容である四つの真理（四聖諦）と中道について資料と共に講義する予定である。あわせて現代における仏教の意義についても言及する。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 2/17(火) インドにおける仏教誕生の背景
第2回 2015/ 2/24(火) 釈尊の修行
第3回 2015/ 3/ 3(火) 釈尊の最初の説法
第4回 2015/ 3/10(火) 苦とはなにか

名前	岩田 孝
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1944年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科東洋哲学専攻単位取得満期退学。哲学博士取得(ハンブルク大学)。印度の六派哲学学派やジャイナ教と仏教との思想上での討論という視点から、仏教における認識論、存在論、論理学を取り扱う。著書に『Prasanga und prasangaviparyaya bei Dharmakirti und seinen Kommentatoren』(Universit?t Wien 1993 年)