大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
英語の習得において、読解はいわば「根」である。根から花へ道は通じているが、花から根に道が通じているとはいえないように、英会話ができるから、英文読解もできるとはいえない。英文読解は英語習得において根本的に重要なものである。本講義はD.H.ロレンスの作品の読解を通じて英語力の向上を図ることと文学作品の鑑賞能力を高めること、この二つを到達目標にしている。

【講義概要】
今回は「The Primrose Path 」と「The Horse-Dealer's Daughter」の2編を取り上げる。前者においては、自立性と孤独愛に欠けているために、絶えず内面に不安を抱え、妻をはじめ他者とまともな人間関係が築けない男の像が描かれている。その像がくっきりと浮かび上がってくるほどに作品理解を深めること、語と句の正確な理解、文脈の的確な把握に努めることが重要な課題となる。後者においては、家業の破綻、その結果生じる一家離散という状況に投げ入れられた女性と若き医師との感情の交流、自立性を有する者同士の愛の感情の交流を、ロレンスの優れた英文を通じて味到するのが眼目となる。一回の進度は約4頁。英文は高校英語を若干上回るレベル。初回にレジュメを配付する。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 7/11(金) The Primrose Path123頁～126頁21行目
第2回 2014/ 7/18(金) 126頁22行目～129頁39行目
第3回 2014/ 7/25(金) 129頁40行目～132頁21行目
第4回 2014/ 8/ 1(金) 132頁22行目～136頁13行目
第5回 2014/ 8/22(金) The Horse-Dealer’s Daughter 137頁2行目～140頁41行目
第6回 2014/ 8/29(金) 141頁1行目～144頁40行目
第7回 2014/ 9/ 5(金) 145頁1行目～148頁36行目
第8回 2014/ 9/12(金) 148頁37行目～152頁20行目

【テキスト・参考図書】
テキスト
『England， My England and Other Stories』（Cambridge University Press）（3，500円）
【The Cambridge Edition of the Works of D. H. Lawrence】P.123～
※初回に教室にて販売いたします。

名前	照屋 佳男
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	1936年沖縄県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。専門分野は、英文学、比較文化。著書に、『コンラッドの小説』(早稲田大学出版部)、『共同体とグローバリズム』(成文堂)。監訳書に『文化の定義のための覚書』(中公クラシックス)(中央公論新社)などがある。