大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
三国志の物語は一つではありません。古来様々に語られてきた三国志物語を楽しみつつ、その背後の中国文化に触れ、古典文学でありながらいつの時代も現在進行形で再生を繰り返している三国志物語の総体としてのダイナミズムを感じ取りましょう。

【講義概要】
まず正史と小説に関する基本的な概説を行い、小説が作られていく経緯を三国時代から中国近世の文芸メディアの諸相を文化背景として見ていきます。次に、小説『三国志演義』が作られていく過程で、あるいは流行する過程で生まれた異色の設定の三国志物語について、その文化背景と共に紹介します。しめくくりに京劇で三国志を鑑賞したのち、こうした三国志物語の日本における受容について俯瞰します。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 4/10(木) 正史『三国志』と小説『三国志演義』-ガイダンスに代えて
第2回 2014/ 4/17(木) 『三国志演義』の世界観-災害と戦乱から読む乱世の相
第3回 2014/ 4/24(木) 歴史伝承から物語へ-文芸メディアから見る三国志（1）
第4回 2014/ 5/ 8(木) 歴史伝承から物語へ-文芸メディアから見る三国志（2）
第5回 2014/ 5/15(木) 異色三国志（1）『三国志平話』-任侠と山賊世界の三国志～まるで『水滸伝』
第6回 2014/ 5/22(木) 異色三国志（2）『花関索伝』-父を尋ねて三千里、関羽の息子が繰り広げるヒロイック・ファンタジー
第7回 2014/ 5/29(木) 異色三国志（3）『三国志玉璽伝』-すれ違いのメロドラマで綴る劉備の恋
第8回 2014/ 6/ 5(木) 異色三国志（4）『南陽楽』-もしも蜀が天下を取ったら
第9回 2014/ 6/12(木) 京劇で三国志を楽しむ
第10回 2014/ 6/19(木) 日本における三国志の受容

【テキスト・参考図書】
参考図書
『三国志演義の世界【増補版】』（東方書店）（1，800円）（ISBN:978-4-497-21009-8）

名前	岡崎 由美
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	－