大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
その死によって智恵子は、光太郎の永遠の存在となった。一人の女性の愛に清められて「自己」を得た光太郎は、窮乏の極に耐えて美の獲得に骨身を削った。戦時下の不幸を超えて愛と美の典型を生きた、その全容を解く。

【講義概要】
木彫師の家に生まれ、谷中の墓地を遊び場として生い立った高村光太郎は、パリに学び、米・英で隔絶した「西洋」を知る。帰国後のデカダン生活を、日本女子大に在って絵画を深く愛する長沼智恵子に救われる。『道程』以下を生む詩人の誕生だが、ロダンやエルハアレンに高い詩心を学び、鉄幹・晶子の「明星」復活に人間の自由・至上の愛を追う。“愛は芸術なり、相克は美なり”を訴えた荻原守衛との交流や天才智恵子との生活を核に、雪深い山小屋で「暗愚」の生涯を総括した、世紀の芸術家の魂を彫り上げる。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 4/ 7(月) 木彫師(仏師屋)
第2回 2014/ 4/14(月) パンの会
第3回 2014/ 4/21(月) 出合い
第4回 2014/ 4/28(月) 大恋愛
第5回 2014/ 5/12(月) 『道程』
第6回 2014/ 5/19(月) 「明星」
第7回 2014/ 5/26(月) 発症
第8回 2014/ 6/ 2(月) 光雲没す
第9回 2014/ 6/ 9(月) 紙画
第10回 2014/ 6/16(月) 智恵子逝く
第11回 2014/ 9/29(月) 天皇あやふし
第12回 2014/10/ 6(月) 大いなる日に
第13回 2014/10/13(月) 渦中に
第14回 2014/10/20(月) 終戦
第15回 2014/10/27(月) 新文化
第16回 2014/11/10(月) 『典型』
第17回 2014/11/17(月) 農耕自炊
第18回 2014/12/ 1(月) 裸婦像
第19回 2014/12/ 8(月) 闘病
第20回 2014/12/15(月) 大河

名前	榎本 隆司
肩書き	早稲田大学名誉教授
プロフィール	－