大学公開講座のセカンドアカデミー

　わが国では古くから中国の文化に親しみ、積極的にその摂取につとめてきました。後に形成されたわが国独自の文化を理解するためにも、我々はまずその淵源である中国の文化を深く理解する必要があります。
68万点に及ぶ故宮の収蔵品の9割以上は、北宋から南宋・元・明・清にいたる皇室に収蔵されてきた文物。皇室の趣味や嗜好が濃厚に反映され、民間で作られた傑作はもちろん、民間では作りえない、採算を度外視した優品も数多く収蔵されています。
歴代の皇帝は優れた文物を収蔵し、また時には人々を教化する目的を込めて、みずから積極的に芸術文化を導いてきました。歴代皇帝の美意識に適った傑作、政治権力の正統性を象徴する文物には、汲めども尽きない奥深い魅力が溢れています。
台北故宮博物院の展覧会を日本で開催することは、歴史や文化に関心を持つ人々にとって、長年の夢でした。美術品を越え越えた意味を持つ皇帝コレクション。中国文化の特質や素晴らしさを広くご紹介いたします。
〔この講座は、東京国立博物館（上野）の協力のもとに開催されます。〕

名前	富田 淳
肩書き	東京国立博物館 学芸研究部列品管理課長
プロフィール	－