大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・激動する国際社会のダイナミズムとその根源を見つめる分析視角・思考スキルを身につけ、近年、世界的に重要になっている人間の安全保障についての理解を深めることを授業の到達目標とします。

【講義概要】
平和とは何か、現代まで人類はどのように争いのない世界を築こうとしてきたのか、知の巨人たちの考えを紹介しながら、平和構築の手法について広く政治哲学・思想からひも解いていきます。
【主な講義内容】
前近代・近代の平和思想、ファシズム、ナチス、全体主義、自由至上主義、現代の平和主義、ロールズの正義論、サンデルのコミュニタリアニズム、ウォルツァー、ハーバーマス、ムフ、討議理論、カール・シュミットの権力論、構造論、カント、ソシュール、フーコー、ニーチェ、サルトル、ロールズの万民法、ミラー、カルドー、軍事介入の論理、人間の安全保障論、アマルティア・セン、ヌスバウムの理論その他

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 7/ 5(水) 前近代・近代の平和思想
第2回 2023/ 7/12(水) 現代の平和主義 平和構築と思想(1)
第3回 2023/ 7/19(水) 現代の平和主義 平和構築と思想(2)
第4回 2023/ 7/26(水) 現代の平和主義 平和構築と思想(3)
第5回 2023/ 8/ 2(水) 現代の平和主義 平和構築と思想(4)
第6回 2023/ 8/ 9(水) 現代の平和主義 平和構築と思想(5)

【ご受講に際して】
◆基本的にはパワーポイントを使用しながら、必要に応じて板書(補足説明)や資料配付を致します。
◆その中で理解を深めていただくために短い映像(TED)を適宜10分ほど使って説明する場合もあります。
◆紛争や平和に関する写真などを見て考えていただく場合があります。
◆国際正義・国際政治哲学に関する本・名著などもご紹介します。
◆なお、世界情勢の変化によって、講座内容が前後したり、変更になることがあります。時間の関係上すべて詳しく説明できない場合もあります。第1回は自己紹介など10分程度講座の中でお時間をいただきます。他の受講者の迷惑となる行為が認められた場合は退席を促す場合があります。
こうした点を理解して受講していただけると有難いです。受講生の皆さまと一緒に議論を深めてまいりたいと思います。
◆休講が発生した場合の補講は、8月23日(水)を予定しています。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『岩波テキストブックス 国際平和論』（岩波書店）（ISBN:978-4000289122）

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	福富 満久
肩書き	一橋大学大学院教授、英王立地理学会フェロー(F.R.G.S.)
プロフィール	早稲田大学政経卒。同大学院政治学研究科博士課程およびパリ政治学院国際関係学Ph.D.コース修了。博士(政治学)、Ph.D(国際関係学)。英王立地理学会フェロー(F.R.G.S.)、専門は国際政治・安全保障・中東問題。12年より一橋大学大学院社会学研究科准教授、15年より現職。15年～16年カリフォルニア大学サンタバーバラ校 オルファレア国際問題研究センターリサーチフェロー、19年～20年ロンドン大学キングス・カレッジ 戦争学研究科シニアリサーチフェロー。18年より防衛大修士・博士論文審査委員。著書に『中東・北アフリカの体制崩壊と民主化』、『国際平和論』、『Gゼロ時代のエネルギー地政学』(いずれも岩波書店)、『戦火の欧州・中東関係史』(東洋経済新報社)。近年は紛争学・正義論・軍事介入の問題に力を入れている。最新の論文に英国のSpringer Nature/palgrave macmillan社発行の国際政治学術誌『International Politics』2021年7月号、論文Could humanitarian intervention fuel the conflict instead of ending it?