大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・原始仏教=ブッダの仏教と日本仏教を、多様な視点から比較します。比較にあたっては、どちらか一方が〇、他方が×という優劣論を離れます。
・日本仏教が原始仏教から最も遠いところに位置している事実を学びます。
・比較をとおして、そもそも仏教とは何か、その答えを追求します。

【講義概要】
日本仏教の現状に批判的な方々はよく「ブッダに帰れ!仏教の原点に返れ!」と主張します。確かに日本仏教の現状には批判されても仕方のない点が多々あります。だからといって「ブッダの仏教=原始仏教」をそのまま日本仏教に導入することは不可能です。なぜならば仏教は誕生以来2500年に及ぶ歴史の過程で大きく変容してきたからです。日本に仏教が伝来した時、その仏教は原始仏教とは大きく異なるタイプの仏教だったのです。また日本人が仏教に求めたものは原始仏教が求めたものと違っていました。本講義では原始仏教と日本仏教をブッダ観・戒律・死生観・教義など多様な視点から比較し、優劣論を離れて「仏教とは何か」を考察します。

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 7/ 5(水) 原始仏教から日本仏教へ
第2回 2023/ 7/12(水) ゴータマ・ブッダの伝記（個人情報）
第3回 2023/ 7/19(水) 「人」から「神」へ
第4回 2023/ 7/26(水) 戒律（妻帯・労働・自殺）
第5回 2023/ 8/ 2(水) 霊魂と空
第6回 2023/ 8/ 9(水) 「仏」は一人か複数か
第7回 2023/ 8/23(水) 死後世界と浄土
第8回 2023/ 8/30(水) 葬儀と先祖供養

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	正木 晃
肩書き	宗教学者
プロフィール	1953年、神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。専門は宗教学(日本仏教・チベット仏教)。文献研究に留まらず、現地調査を実施しチベット・ヒマラヤ地域の調査は20回に及ぶ。高度でありながら誰でも理解できる仏教学を志向。著作は『「ほとけ」論』『現代日本語訳 法華経』など多数。