大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・イスラーム美術史全般に関する基礎的な知識を身につける。
・中東文化に対する理解を深める。
・『アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)』の文学史的・風俗誌的背景を探る。

【講義概要】
アラベスク(イスラーム文様)とモスク建築だけがイスラーム美術ではない。欧米主導でつくりだされた『アラビアン・ナイト』のイメージ世界には多くの誤った認識がみられる。本講座は、イスラーム世界の美術をその黎明期より初学者にも分かりやすく解説するものである。宗教と美術との関連や初期のモスク建築や絵画、さらには火の芸術とよばれるガラス工芸、金属器、陶器についても必要な基礎知識を構築し、代表的な作品を鑑賞していく。また、『アラビアン・ナイト』の中の有名な挿話を素材として、美術のみならず中東世界の伝説や風俗などに関しても言及し、中東イスラーム文化への理解を深めていく。

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 4/ 6(木) 『アラビアン・ナイト』のイメージ形成
第2回 2023/ 4/13(木) イスラームという宗教と美術ーイスラーム教徒は美術の破壊者か？
第3回 2023/ 4/20(木) 現存する最古のイスラーム美術
第4回 2023/ 4/27(木) 宮殿建築とその装飾ー世俗建築（宮殿）と大画面壁画
第5回 2023/ 5/11(木) 写本芸術の黎明期ー「黒檀の馬」の物語と自動機械仕掛けの書
第6回 2023/ 5/18(木) 「アラーディーンと魔法のランプ」をめぐってー魔法のランプは吊りランプ？
第7回 2023/ 5/25(木) 「真鍮の都の物語」黄銅城伝説
第8回 2023/ 6/ 1(木) 「海のシンドバードの冒険物語」と海のシルクロード

【ご受講に際して】
◆アラビア語の知識は特に必要としません。講義の前に関連する『アラビアン・ナイト』の各物語(翻訳版)を読んでおくことを推奨します。

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	小林 一枝
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)博士課程単位取得退学。1997年より現在に至るまで早稲田大学国際部(現・国際教養学部)の講師を勤める。早稲田大学文学部では中東イスラームコースの文学と美術の講座を担当。著書に、「アラビアン・ナイトの国の美術史(単著)」八坂書房、「The Arabian Nights: An Encyclopedia(共著)」ABCーClio出版他がある。