講座詳細情報
申し込み締切日:2018-07-16 / 日本史:政治 / 学内講座コード:320211
日本政治外交史を見る視点 内政と外交をめぐる四つの開国
- 開催日
- 7月18日(水)~ 7月25日(水)
- 講座回数
- 2回
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- 8,000円
- 受講料
- 5,832円
- 定員
- 24
- その他
- ビジター価格 6,706円
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【目標】
・歴史を鑑として、今日の日本の政治と外交を歴史的にとらえるための視座を構築すること。
・普遍的価値と関係する言葉を、近代日本の歴史的体験と記憶を交え説得的に政治の場に生かすことができること。
・近代「日本」が「国民」「個人」「主権」に象徴される規範を、君臣・家格・身分・性によって差別化された伝統社会に代わり、いかに受容し約7世代にわたる近代日本社会が築かれてきたのか。
【講義概要】
現在まで、日本政治史という言葉でイメージされてきたのは、政党政治の発展・挫折・復活を基軸とする民主化の流れと、「文明化」や交流・平和と結びつけられがちな国際協調の流れであった。その二つが結びついて近代日本の「明るい」側面が描かれ、そこからの脱線・転覆として、戦争や植民地という「暗い」時代も描かれてきた。
しかし残念ながら、それらは「戦後」という時代に作られた自画像ともいうべき性格を免れない。現代の日本が激しい「歴史認識」をめぐる摩擦に直面している今、国際政治学的諸理論、特にナショナリズム論をベースに、「日本人」や「韓国人」「中国人」という国民意識そのものが、いかに近代において誕生し編成されていったのかという観点から、こうした明暗の二項対立自体を歴史化していく。
国際政治とそれが社会に及ぼした衝撃を歴史学的に把握しつつ、国民という枠組み自体を歴史の産物とするようなグローバルヒストリーの見地から、四つの開国を中心にダイナミックな日本をめぐる歴史の見方を提示したい。
●四つの開国:
視点の提示(コントロール可能性、国際標準への適応、周辺地域・日本・列強)、16世紀の開国と19世紀の開国の違い、平和的な鎖国による幕藩体制、管理貿易としての鎖国、鎖国体制の変動と天皇号の登場、侍・公家・百姓の生活世界
●19世紀の開国:
倒幕と公武合体路線をめぐる士族層の対立、攘夷から開国への対外方針の転換、廃藩と士族層の転換と対外膨張、百姓・町人達の国民化政策、帝国的民主主義
●開国の結果 ― 大衆化と戦争:
憲法体制の導入、日露戦後の大衆化、国際協調と「脱線」開始、労働者の登場、日中関係の緊張と武力による紛争解決としての満洲事変、満洲国建国と国際承認問題
●20世紀の開国 ― 占領と「戦後」:
大東亜会議と民族自決、「民主化」と脱植民地化・引揚、アメリカ資本と技術導入とアジア、高度成長、東南アジアとの三日月貿易、冷戦終結による変容と現代
・歴史を鑑として、今日の日本の政治と外交を歴史的にとらえるための視座を構築すること。
・普遍的価値と関係する言葉を、近代日本の歴史的体験と記憶を交え説得的に政治の場に生かすことができること。
・近代「日本」が「国民」「個人」「主権」に象徴される規範を、君臣・家格・身分・性によって差別化された伝統社会に代わり、いかに受容し約7世代にわたる近代日本社会が築かれてきたのか。
【講義概要】
現在まで、日本政治史という言葉でイメージされてきたのは、政党政治の発展・挫折・復活を基軸とする民主化の流れと、「文明化」や交流・平和と結びつけられがちな国際協調の流れであった。その二つが結びついて近代日本の「明るい」側面が描かれ、そこからの脱線・転覆として、戦争や植民地という「暗い」時代も描かれてきた。
しかし残念ながら、それらは「戦後」という時代に作られた自画像ともいうべき性格を免れない。現代の日本が激しい「歴史認識」をめぐる摩擦に直面している今、国際政治学的諸理論、特にナショナリズム論をベースに、「日本人」や「韓国人」「中国人」という国民意識そのものが、いかに近代において誕生し編成されていったのかという観点から、こうした明暗の二項対立自体を歴史化していく。
国際政治とそれが社会に及ぼした衝撃を歴史学的に把握しつつ、国民という枠組み自体を歴史の産物とするようなグローバルヒストリーの見地から、四つの開国を中心にダイナミックな日本をめぐる歴史の見方を提示したい。
●四つの開国:
視点の提示(コントロール可能性、国際標準への適応、周辺地域・日本・列強)、16世紀の開国と19世紀の開国の違い、平和的な鎖国による幕藩体制、管理貿易としての鎖国、鎖国体制の変動と天皇号の登場、侍・公家・百姓の生活世界
●19世紀の開国:
倒幕と公武合体路線をめぐる士族層の対立、攘夷から開国への対外方針の転換、廃藩と士族層の転換と対外膨張、百姓・町人達の国民化政策、帝国的民主主義
●開国の結果 ― 大衆化と戦争:
憲法体制の導入、日露戦後の大衆化、国際協調と「脱線」開始、労働者の登場、日中関係の緊張と武力による紛争解決としての満洲事変、満洲国建国と国際承認問題
●20世紀の開国 ― 占領と「戦後」:
大東亜会議と民族自決、「民主化」と脱植民地化・引揚、アメリカ資本と技術導入とアジア、高度成長、東南アジアとの三日月貿易、冷戦終結による変容と現代
備考
【ご受講に際して】
◆授業では、毎回、感想・質問を書いていただき、アクティブ・ラーニングの試みを体験していただきます。共通資料読解の上に隣の人と語り合っていただきます。それはお互いを知る機会にもなるかと思います。その点、ご理解いただきご参加ください。
【テキスト・参考図書】
テキスト
『日本の近代とは何であったか ― 問題史的考察』(岩波新書)(ISBN:978-4004316503)三谷太一郎 著
参考図書
『帝国日本の植民地法制』(名古屋大学出版会)(ISBN:978-4815805852)浅野豊美 著
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
◆授業では、毎回、感想・質問を書いていただき、アクティブ・ラーニングの試みを体験していただきます。共通資料読解の上に隣の人と語り合っていただきます。それはお互いを知る機会にもなるかと思います。その点、ご理解いただきご参加ください。
【テキスト・参考図書】
テキスト
『日本の近代とは何であったか ― 問題史的考察』(岩波新書)(ISBN:978-4004316503)三谷太一郎 著
参考図書
『帝国日本の植民地法制』(名古屋大学出版会)(ISBN:978-4815805852)浅野豊美 著
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 浅野 豊美 |
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肩書き | 早稲田大学教授 |
プロフィール | 1964年福島県生まれ。東京大学教養学部卒業後、同大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術・国際社会学)。専門分野は東アジア国際関係史、日本政治外交史、国際関係論。著書に『帝国日本の植民地法制 ― 法域統合と帝国秩序』(名古屋大学出版会)、『南洋群島と帝国・国際秩序』(慈学社出版)などがある。 |