大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・中東情勢と国際政治、またイスラム教について正しく理解することができるようになることを目標とします(中東に長く居住した経験から真の中東を身近に知っていただけると自負しています)。
・国際政治の理論、比較制度論、ゲーム理論などの分析枠組みを理解することで、最新のニュースを惑わされることなく的確に中東問題を把握することができるようになります。

【講義概要】
「アラブの春」から6年、シリア内戦やリビア内戦によって中東地域は混乱の度を深めています。イスラム国「IS」によるテロにより、欧州諸国も治安が悪化、イスラム教徒とキリスト教徒との間で「文明の衝突」が起きています。なぜイスラム世界は安定しないのでしょうか。イスラム教と民主主義は整合性がないのでしょうか。中東の歴史や社会構造、宗教的背景を踏まえつつ、国際政治学的見地から今後の中東、そして世界との関係を読み解くための視点を紹介します。

【各回の講義予定】
第1回 2018/ 1/ 9(火) 中東はなぜ戦火が絶えないのか
― グローバルテロリズムとIS(イスラーム国)の出現の背景
第2回 2018/ 1/16(火) 覇権と国際政治の理論 ― リアリズムと中東
第3回 2018/ 1/23(火) 理想・制度・構造と国際政治の理論 ― リベラリズムと中東
第4回 2018/ 1/30(火) 中東はなぜ民主化しないのか(1)
― 帝国主義に蹂躙されてきた北アフリカ
第5回 2018/ 2/ 6(火) 中東はなぜ民主化しないのか(2)
― パレスチナ問題、中東戦争を考える
第6回 2018/ 2/13(火) 湾岸危機 ― サウジアラビア VS イラン
第7回 2018/ 2/20(火) 文明の衝突？と中東 ― イスラーム世界の真の姿を知る
第8回 2018/ 2/27(火) 米国は国際秩序と覇権を維持できるか、日本はどのように中東と付き合って行けば良いか

【ご受講に際して】
◆2017年度春学期講座「戦火の中東イスラームと国際政治」の続編ですが、初めてご受講いただく方も歓迎いたします。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『国際平和論』（岩波書店）（ISBN:978-4000289122）福富満久 著
参考図書
『Gゼロ時代のエネルギー地政学 ― シェール革命と米国の新秩序構想』（岩波書店）（ISBN:978-4000610032）福富満久 著
『中東・北アフリカの体制崩壊と民主化 ― MENA市民革命のゆくえ』（岩波書店）（ISBN:978-4000238717）福富満久 著

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	福富 満久
肩書き	一橋大学教授
プロフィール	早稲田大学政治経済学部卒業後、同大学大学院政治学研究科博士課程およびパリ政治学院国際関係学Ph.D.コース修了。博士(政治学)、Ph.D(国際関係学)。専門は、国際政治学、中東問題等。著書に『中東・北アフリカの体制崩壊と民主化』、『国際平和論』、『Gゼロ時代のエネルギー地政学』(いずれも岩波書店)。