大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・『源氏物語』の世界を理解し楽しむ。
・後の作品にも影響を与えてきた『源氏物語』の特徴を学ぶ。
・物語を織り成す歌ことば、京都の空間や景色などについて知り、物語旅を楽しむ技術を手に入れる。

【講義概要】
夏学期に続けて『源氏物語』宇治十帖の総角巻後半を講読します。総角巻は、宇治に住む大君・中の君姉妹と、薫・匂宮という「いい香り」を放つ男君たちの恋が劇的に転回し始める巻で、『源氏物語』の中でも重要な巻の一つです。大君は薫の永遠の女君へと昇華し、中の君は『源氏物語』屈指のシンデレラストーリーを歩み始めます。言葉の襞をめくるように丁寧に物語をご一緒に読み進め、現実から離脱して、物語世界を楽しんで参ります。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 9/28(水) 匂宮と中の君、三日夜の儀
第2回 2016/10/ 5(水) 匂宮の宇治への恋路
第3回 2016/10/12(水) 匂宮、宇治へ紅葉狩り
第4回 2016/10/19(水) 大君、匂宮を恨む
第5回 2016/10/26(水) 大君を看病する薫
第6回 2016/11/ 2(水) 大君の嘆き
第7回 2016/11/ 9(水) 薫、恋する大君と永遠の別れへ
第8回 2016/11/16(水) 墨染めの衣
第9回 2016/11/30(水) 匂宮、雪に濡れながら宇治の中の君のもとへ
第10回 2016/12/ 7(水) 中の君のシンデレラストーリーはじまる

【ご受講に際して】
◆指定テキスト以外でも、『源氏物語』総角巻の原文が掲載されている書籍をお持ちであれば、それをお使いくださって結構です。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『源氏物語 13 第13巻 椎本・総角』（小学館）（ISBN:978-4093620932）

名前	橋本 ゆかり
肩書き	大妻女子大学講師
プロフィール	名古屋大学大学院修了。博士(文学)。専門は『源氏物語』をはじめとする平安文学。単著『源氏物語の〈記憶〉』(翰林書房)、共著『源氏物語 煌めくことばの世界』(翰林書房)、『王朝文学と服飾・容飾』(竹林舎)など。『週刊朝日百科 絵巻で楽しむ源氏物語五十四帖』(朝日新聞出版)では、他の執筆陣とリレーで物語・読みどころなどの執筆を担当し、最先端の物語読解をわかりやすく紹介。