大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
漢文による仏教は、日本の文化や思想の基盤であったと言っても過言ではありません。本講座は、4回という短期間なので、仏教漢文の基本を中心として、漢字や仏教語の理解を深めていけるように講義を進めて行きます。仏教と日本語の関連にも注目します。

【講義概要】
第1回目は、仏教語について概説した上で、仏教漢文の特色についてお話します。その際に、漢字の音についての知識が不可欠なので、そのことを導入にします。その上で、訓読の基本についてお話しし、応和の宗論を扱います。第2回目は、地獄の描写で有名な『往生要集』から、一、二(衆合地獄等)を抜き出して読みます。第3回目は、仏教と女性という観点から、『法華経』提婆達多品の龍女成仏の文章を検討します。第4回目は、密教漢文として、日本密教の基盤とも言うべき、『大日経』とその註釈の巻頭を講読します。

【ご受講に際して】
◆『広辞苑』等の国語辞典が入った電子辞書をお持ちいただくと、かなり役に立ちます。なぜかというと、極めて多くの仏教語が日本語の中に入っているからです。

名前	大久保 良峻
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1954年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程東洋哲学専攻退学。博士(文学、早稲田大学)。専門分野は日本仏教教学史・仏教学。著書に『天台教学と本学思想』、『台密教学の研究』、編著に『天台学探尋』(以上、法蔵館)などがある。