講座詳細情報
申し込み締切日:2016-04-01 / 文学:日本史:その他教養 / 学内講座コード:310111
文学作品にみる武蔵野I 明治・大正の文学から
- 開催日
- 4月 8日(金)~ 6月24日(金)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 8,000円
- 受講料
- 23,652円
- 定員
- 30
- その他
- ビジター価格 27,216円
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【目標】
「武蔵野」という言葉には、独特の響きがあります。もともと武蔵の国に広がる原野をさしましたが、埼玉から東京、そして神奈川に広がる地域は、昔から文学の素材としても知られています。都市と自然の境にある「武蔵野」は、開発の進んだ今、失われかかっているとしても、その光景を言葉で綴った文学作品の中にこそ息づいていると言えるでしょう。そこに住む人々の意識やドラマも、場所との関わりで意味付けられます。明治から現代に至る文学作品は、そうした「武蔵野」の持つ魅力を描いてきました。皆さんと共に代表的な作品を辿りつつ、新たな照明を与えていきたいと思います。
【講義概要】
「武蔵野」を描いた文学の流れがわかるような概観を試みると共に、いくつかの代表作については、少し時間をかけて分析していきたいと思います。春学期では、明治期と大正期を扱っていきます。明治時代の代表的作品として、国木田独歩の短篇集『武蔵野』が挙げられますが、まずその中から、近年注目されている溝口を背景とした「忘れえぬ人々」などの短篇の面白さを明らかにしていきます。また、独歩の友人の田山花袋は紀行文にひいでており、武蔵野を折に触れて扱っています。例えば、埼玉に広がる武蔵野は、そこではどう描かれているでしょうか。森?外など他の作家の作品にも触れながら、比較してみたいと思います。そして、大正時代の作品としては、甲州街道の傍の野に住んだ徳冨健次郎(蘆花)の感想集『みみずのたはこと』の代表的な一節を、読んでみたいと思います。武蔵野の自然の中での生活は、100 年前の大正時代はどうであったかが、よくうかがえるでしょう。こうした計画の中で、武蔵野でも中央線沿線だけではなく、小田急線、京王線、更には西武線、東上線沿線にと地域を拡大し、神奈川・東京多摩・埼玉に広がる武蔵野の風物を、さまざまな文学作品を通して考えたいと思います。なお、秋学期講座では、昭和期(戦前・戦後)の作品を扱う予定です。
【主な講義内容】
・「武蔵野」を描くということ
・明治の小金井散歩
・独歩の短篇集『武蔵野』から ―『忘れえぬ人々』など / 独歩の「郊外」とは
・武蔵野の文学と絵画
・埼玉の武蔵野 ― 田山花袋の紀行から / 森?外『青年』に描かれた大宮
・蘆花『みみずのたはこと』の分析
【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/ 8(金) 「武蔵野」を描くということ
第2回 2016/ 4/15(金) 明治の小金井散歩
第3回 2016/ 4/22(金) 独歩の短篇集『武蔵野』から ―『忘れえぬ人々』など
第4回 2016/ 5/13(金) 独歩の「郊外」とは
第5回 2016/ 5/20(金) 武蔵野の文学と絵画
第6回 2016/ 5/27(金) 埼玉の武蔵野 ― 田山花袋の紀行から
第7回 2016/ 6/ 3(金) 埼玉の武蔵野 ― 森?外『青年』に描かれた大宮
第8回 2016/ 6/10(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その1
第9回 2016/ 6/17(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その2
第10回 2016/ 6/24(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その3
「武蔵野」という言葉には、独特の響きがあります。もともと武蔵の国に広がる原野をさしましたが、埼玉から東京、そして神奈川に広がる地域は、昔から文学の素材としても知られています。都市と自然の境にある「武蔵野」は、開発の進んだ今、失われかかっているとしても、その光景を言葉で綴った文学作品の中にこそ息づいていると言えるでしょう。そこに住む人々の意識やドラマも、場所との関わりで意味付けられます。明治から現代に至る文学作品は、そうした「武蔵野」の持つ魅力を描いてきました。皆さんと共に代表的な作品を辿りつつ、新たな照明を与えていきたいと思います。
【講義概要】
「武蔵野」を描いた文学の流れがわかるような概観を試みると共に、いくつかの代表作については、少し時間をかけて分析していきたいと思います。春学期では、明治期と大正期を扱っていきます。明治時代の代表的作品として、国木田独歩の短篇集『武蔵野』が挙げられますが、まずその中から、近年注目されている溝口を背景とした「忘れえぬ人々」などの短篇の面白さを明らかにしていきます。また、独歩の友人の田山花袋は紀行文にひいでており、武蔵野を折に触れて扱っています。例えば、埼玉に広がる武蔵野は、そこではどう描かれているでしょうか。森?外など他の作家の作品にも触れながら、比較してみたいと思います。そして、大正時代の作品としては、甲州街道の傍の野に住んだ徳冨健次郎(蘆花)の感想集『みみずのたはこと』の代表的な一節を、読んでみたいと思います。武蔵野の自然の中での生活は、100 年前の大正時代はどうであったかが、よくうかがえるでしょう。こうした計画の中で、武蔵野でも中央線沿線だけではなく、小田急線、京王線、更には西武線、東上線沿線にと地域を拡大し、神奈川・東京多摩・埼玉に広がる武蔵野の風物を、さまざまな文学作品を通して考えたいと思います。なお、秋学期講座では、昭和期(戦前・戦後)の作品を扱う予定です。
【主な講義内容】
・「武蔵野」を描くということ
・明治の小金井散歩
・独歩の短篇集『武蔵野』から ―『忘れえぬ人々』など / 独歩の「郊外」とは
・武蔵野の文学と絵画
・埼玉の武蔵野 ― 田山花袋の紀行から / 森?外『青年』に描かれた大宮
・蘆花『みみずのたはこと』の分析
【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/ 8(金) 「武蔵野」を描くということ
第2回 2016/ 4/15(金) 明治の小金井散歩
第3回 2016/ 4/22(金) 独歩の短篇集『武蔵野』から ―『忘れえぬ人々』など
第4回 2016/ 5/13(金) 独歩の「郊外」とは
第5回 2016/ 5/20(金) 武蔵野の文学と絵画
第6回 2016/ 5/27(金) 埼玉の武蔵野 ― 田山花袋の紀行から
第7回 2016/ 6/ 3(金) 埼玉の武蔵野 ― 森?外『青年』に描かれた大宮
第8回 2016/ 6/10(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その1
第9回 2016/ 6/17(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その2
第10回 2016/ 6/24(金) 蘆花『みみずのたはこと』の分析・その3
備考
【ご受講に際して】
◆『武蔵野』を新しく文庫本でお求めの際は、新潮文庫をお勧めします。教科書所収の作品以外は、プリントを用意します。
【テキスト・参考図書】
テキスト
『武蔵野』(新潮文庫)(ISBN:978-4101035017)
【備考】
★3/17に模擬講義を行います。詳細は「なかのオープンキャンパス」のお知らせページをご覧ください。
◆『武蔵野』を新しく文庫本でお求めの際は、新潮文庫をお勧めします。教科書所収の作品以外は、プリントを用意します。
【テキスト・参考図書】
テキスト
『武蔵野』(新潮文庫)(ISBN:978-4101035017)
【備考】
★3/17に模擬講義を行います。詳細は「なかのオープンキャンパス」のお知らせページをご覧ください。
講師陣
名前 | 中島 国彦 |
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肩書き | 早稲田大学教授 |
プロフィール | 1946年、東京生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了、博士(文学)。早稲田大学文学学術院教授、公益財団法人日本近代文学館専務理事。日本近代文学専攻。著書『近代文学にみる感受性』(筑摩書房)、『夏目漱石の手紙』(共著、大修館書店)など。岩波書店版『白秋全集』『荷風全集』編集委員。 |