大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
「中世」という時代の輪郭は、非常に曖昧です。この時代の印象が薄いと感じられる方も多いかもしれません。しかしそのぼんやりとした時代のなかで、現代の私たちへとつながる国家や社会、経済、文化が形成されていきました。伝統的権威の没落と新たな権力の台頭、民衆の活躍、経済や金融の発展、仏教の新たな息吹、現代にまで続く文化の芽ばえ、これらはすべて中世に起こっているのです。そこで本講座では、曖昧で複雑な日本中世という時代を基礎から読み解き、具体的なイメージとして日本中世の姿をつかんでいただけることを目標とします。

【講義概要】
まずは院政の時代から江戸幕府成立までを対象に、国家や社会、経済、宗教などのあり方を明らかにして、基本的な時代の流れを押さえます。また、近年の新しい研究成果によって中世史像も大きく変わってきています。かつて中学・高校教科書で習った内容に比べて何がどう変わったのか、そうした点も、参考文献を含めて随時紹介していきます。さらに、歴史の「現場」に立ち「モノ」を具体的にイメージできるよう、インターネットの地図や博物館図録、各地で撮影してきた写真なども積極的に活用していきます。

【各回の講義予定】
第1回 2016/ 4/11(月) 【平安後期】上皇の時代―御願寺と荘園の形成―
第2回 2016/ 4/18(月) 【平安～鎌倉】武家政権の成立―清盛と頼朝―
第3回 2016/ 4/25(月) 【鎌倉】鎌倉幕府確立と北条氏の覇権
第4回 2016/ 5/ 9(月) 得宗政権の成立と文永の役
第5回 2016/ 5/16(月) 弘安の役と「徳政」の時代
第6回 2016/ 5/23(月) 鎌倉の宗教―「新」と「旧」の仏教―
第7回 2016/ 5/30(月) 【南北朝】天皇家の分裂と朝廷
第8回 2016/ 6/ 6(月) 後醍醐の執念―倒幕・新政・吉野―
第9回 2016/ 6/13(月) 荘園に生きる人々
第10回 2016/ 6/20(月) 【特論】中世の史料―文書と記録―
第11回 2016/10/ 3(月) 【室町】南北朝の動乱
第12回 2016/10/10(月) 室町殿の政治
第13回 2016/10/17(月) 東国と西国、蝦夷と琉球、明と朝鮮
第14回 2016/10/24(月) 経済の発展―生産・流通・金融―
第15回 2016/10/31(月) 応仁・文明の乱
第16回 2016/11/ 7(月) 【戦国】室町文化
第17回 2016/11/14(月) 戦国の権力と社会
第18回 2016/11/21(月) 戦国の宗教―仏教・神道・キリスト教―
第19回 2016/11/28(月) 城と館
第20回 2016/12/ 5(月) 【織豊】天下布武と惣無事―信長・秀吉と家康―

【備考】
パンフレット訂正:開講曜日(土)と記載がございますが、正しくは(月)となります。日付は変更ございません。

名前	徳永 健太郎
肩書き	早稲田大学・日本女子大学講師
プロフィール	1971年長崎県生まれ。早稲田大学大学院修了。日本女子大学講師、早稲田大学高等学院の講師を担当。主な著書として「鎌倉期の神社と幕府」(『年報中世史研究』)・「中世宇佐弥勒寺における神功皇后裳腰伝承をめぐって」(『室町戦国期の社会構造』)などがある。