大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
科学革命の時代と呼ばれる17世紀は、西欧の世界観が大きく変化した時代です。反面、社会におけるキリスト教の力も現代以上に大きなものがありました。また、様々な伝説や神話が信じられていた時代でもあります。この当時の西欧における科学の発達と世界観の変化をある程度理解することを目的とします。

【講義概要】
大西洋を描いた、17世紀の地図にはフリスランドという実際にはない島が描かれていました。科学の発展にもかかわらず、当時は神話や伝説が真実として受け止められていた時代だったのです。また、キリスト教的な世界観に立って、地動説を批判する人々も数多くいました。18世紀、西欧の科学はこうした世界観から脱してゆきます。その過程を概観すると同時に、当時の神話や伝説、また、17世紀において、時には歩調を合わせ時には対立した科学とキリスト教の関係をも学んでいきたいと思います。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/ 8(水) オリエンテーション
第2回 2015/ 4/15(水) 天文学史1:天動説から地動説へ
第3回 2015/ 4/22(水) 天文学史2:コペルニクス説の普及
第4回 2015/ 4/29(水) 天文学史3:ケプラーの登場
第5回 2015/ 5/13(水) 天文学史4:キリスト教と地動説
第6回 2015/ 5/20(水) 天文学史5:ニュートンの登場
第7回 2015/ 5/27(水) 天文学史6:18世紀の宇宙論
第8回 2015/ 6/ 3(水) 天文学史7:宇宙の年齢
第9回 2015/ 6/10(水) 地理学史1:新大陸と新しい世界地図
第10回 2015/ 6/17(水) 地理学史2:メルカトルの登場
第11回 2015/ 9/30(水) 地理学史3:伝説・神話と地図
第12回 2015/10/ 7(水) 地理学史4:北極・神話・地図
第13回 2015/10/14(水) 地理学史5:地図に存在しない島・地図に存在した伝説
第14回 2015/10/21(水) 人類学史1:新大陸という問題
第15回 2015/10/28(水) 人類学史2:エドワード・ブリアウッド─新大陸先住民タタール起源論
第16回 2015/11/ 4(水) 人類学史3:フーゴー・グロティウスの新大陸先住民論
第17回 2015/11/11(水) 人類学史4:アダム以前に人類は存在したか?
第18回 2015/11/18(水) タイムスケール問題1:化石と古生物学とキリスト教
第19回 2015/11/25(水) タイムスケール問題2:キリスト教的宇宙観の衰退
第20回 2015/12/ 2(水) まとめ

【ご受講に際して】
◆2014年度「近世における科学の発展と世界観」とほぼ同じ内容となります。

名前	山本 大丙
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	1969年東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。専門分野はオランダ史、思想史。