大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
中国の偉人たちの事蹟にかかわる美術作品をとおして、中国における「歴史の意味と基本構造」を理解する。その知識をもとに、中国の過去を考察し未来を見通すための「大局観と洞察力」を養い、東アジアの将来像に一家言を持てるようにする。

【講義概要】
日本人の多くは「歴史は学問だ」と思っています。でも、中国では違います。学問である以上に「政争のための道具」として古くから利用されてきたのです。中国人の歴史観を理解するには、偉人たちの事蹟とその評価の変遷を追うのが一番です。本講では、秦の始皇帝や三国志の英雄たちといった古代の人物たちと現代の毛沢東や?小平などを描いた美術作品を図像学的に分析しつつ、古代と現代が歴史を通して密接にリンクしていることを、楽しくわかりやすくご説明します。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 1/ 9(金) 始皇帝 ― 「建国の偉人」か「悪逆の魔王」か
第2回 2015/ 1/16(金) 始皇帝と前漢・景帝 ― 対照的な帝王像
第3回 2015/ 1/23(金) 神々の肖像 ― 中国から織田信長へ、フランスへ
第4回 2015/ 1/30(金) 孔子と弟子たち ― ポーズモデルとなった聖人賢人
第5回 2015/ 2/ 6(金) 曹操 ― 悪役イメージと実像
第6回 2015/ 2/13(金) 孔明と三国志の英雄たち ― その後のヒーロー、悲喜こもごも
第7回 2015/ 2/20(金) 毛沢東と小平 ― プロパガンダ・アートの表と裏
第8回 2015/ 2/27(金) 劉暁波と艾未未 ― 中国の将来像への問いかけ

【テキスト・参考図書】
参考図書
『中華図像遊覧』（大修館書店）（3，000円）（ISBN:978-4469232127）

名前	杉原 たく哉
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	1954年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科東洋美術専攻博士課程修了。現在、早稲田大学、立教大学、放送大学等講師。専門は中国古代美術史だが、専門の枠にとらわれず、アジアのさまざまな図像を比較芸術の視点から幅広く研究している。著書に『中華図像遊覧』『天狗はどこから来たか』(大修館書店)など多数。