大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・大乗仏教の思想の根幹をなす基本的な概念の意味をよりよく理解する
・「大乗」の始まりを知る
・特に「中観」と「唯識」の枠組みを学ぶ

【講義概要】
仏教教理の基礎をなす「業」の伝統的な説示の紹介を前段とし、「大乗」の端緒を開いた『八千頌般若経』の要所を見渡したのち、「中観」と「唯識」に焦点を当てます。それぞれの思想圏における中心的関心事のいくつかを取りあげ、それらが基本的にはいかなる意味をもち、たがいにいかなる関係をもつのかを考えていきます。たとえば中観における「縁起」「空」「表示」、唯識の「宿在(アーラヤ)識」「残存印象」「転変」などが題材となります。解説の典拠となる文献としてナーガールジュナ(龍樹)作『中論』とヴァスバンドゥ(世親)作『唯識二十論』と『唯識三十頌』を取りあげます。

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 9/27(水) 「業」の教理(1)
第2回 2023/10/ 4(水) 「業」の教理(2)
第3回 2023/10/11(水) 「大乗」の発端
第4回 2023/10/18(水) 「大乗」の基礎
第5回 2023/10/25(水) 「大乗」の展開
第6回 2023/11/ 1(水) 空の思想(1)
第7回 2023/11/ 8(水) 空の思想(2)
第8回 2023/11/15(水) 空の思想(3)
第9回 2023/11/22(水) 表識としての世界(1)
第10回 2023/11/29(水) 表識としての世界(2)

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	齋藤 直樹
肩書き	早稲田大学講師
プロフィール	1962年東京都出身。早稲田大学大学院東洋哲学専攻博士課程満期退学後、ドイツ・マールブルク大学にてPh.D.取得。著書『Das Kompendium der moralischen Vollkommenheiten』、論文「転変としての世界」「ナーガールジュナの馬」「「歩行者」の「歩行」」「ガンダルヴァの都城」等がある。